日々の気づき/ブログ
ILSにてスタートアップとしてのピッチ 12月2日
12/2 の午後からILSにてピッチを行います。
ご興味がありましたらWebにて参加をお願い致します。
https://ils.tokyo/
最近の結果として非常に結晶性の高い膜が低い基板温度で得られています。
出資及び共同開発してくれる企業様を募集しております。
よろしくお願いいたします。
さて、
新規事業のコンサルをやっている中で他社に偉そうに語っているので自分でもやらないとなぁと思って始めたテーマです。その意味ではコンサルタントとしては超優秀なのだと思います(笑)。さらに学んだステップを企業様の新規事業創出のアドバイスに活かすことができればと思っています。
素材系BtoBの新規事業創出について考える
最近、化学メーカーさまから新規事業創出に関するご相談をいただく機会が増えてきました。複数の企業から伺うのは、「デザイン思考」や「最終顧客のニーズ」を起点に新規事業を進めようとする取り組みが増えているということです。デザイン思考には多くのメリットがありますし、最終顧客を起点に発想する姿勢も非常に重要です。ただし、素材系BtoBの領域では、業界構造の特性から“適用のしかたに工夫が必要”だと感じることが多いのも事実です。
■ 素材BtoBは“最終顧客”が遠い
素材の世界では、最終ユーザーに届くまでに複数のメーカーや加工プロセスが介在します。また、素材は機能・性能で付加価値を出す領域であるため、素材研究者が最終顧客の利用シーンを詳細に想像することは簡単ではありません。例えばPET樹脂を開発している研究者が、最終製品のユーザーマインドを深く理解するのは難しく、時間がかかります。また、考えることができたとしても自社の課題に落ちてこない場合が多いです。
■ 私のワークショップ・コンサルで重視していること
私は、素材系BtoBでは「技術の構造化 × 成長市場探索」の組み合わせが、比較的再現性が高いと考えています。
例えばPET樹脂を開発している会社において、
・PET樹脂の特性・構造・製造工程を整理し、強みを明確化する
・その強みが活かせる可能性のある市場・用途を横断的に探索する
・既存材料の代替シナリオを検討し、技術的に成立するかを見極める
・関連特許・論文を調査し、実現可能性やホワイトスペースを検証する
といった流れで進めています。
素材領域ならではの強みにフィットした方法論として機能するものです。
■ 実例:衣料用素材が「半導体用途」に転用できたケース
過去には、衣料用途で使われていた素材を詳細に分析し、特許を数千件調べた結果、構造を少し改良することで半導体プロセスに適用する材料として価値を出せることが分かった事例があります。これは、素材特有の構造・機能に目を向けたからこそ生まれた発見でした。
■ 「派手さ」より、“業界構造に合った現実的アプローチ”を
デザイン思考を否定したいわけではありません。
むしろ、うまく組み合わせれば非常に有効です。
ただし、素材BtoBでは、
・技術の深い理解
・産業全体の構造把握
・特許・論文からの裏付け
・成長市場との適合性
といった“地に足の着いた探索”が成果を出す鍵になることが多いと感じています。
■ まとめ
・素材BtoBでは、最終顧客が遠いため適用には工夫が必要
・技術の構造化 × 市場探索 × 特許分析が相性の良いアプローチ
・素材固有の強みを活かす手法が大切
・実例として、衣料素材を半導体用途に転用したケースもあり
素材系の新規事業でお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
製造業の失われた30年とデジタル化の影響2
【製造業の失われた30年とデジタル化の影響 2】
以前、「製造業の失われた30年」について考察を書きました。
結論として、日本が得意としてきた“すり合わせ型”のものづくり…、つまり「高度で正確」な職人技を前提とした製造スタイルが、デジタル化の波に飲み込まれたのではないか、という話です。
デジタル技術の進化によって、これまで経験や勘で行われていた“高度で曖昧な調整”が、仕様書で正確に定義できるようになり、その結果、海外勢に追い越された。そんな構図です。
参考までに、日本の国際競争力とネット普及(≒デジタル化)の関係を示した図を下に置いています。
スマホ・デジカメ用レンズの例
この話に関連して、思い出した例があります。
スマートフォンやデジタルカメラ用のレンズです。
ざっくりとした説明になりますが(多少の誤差はご容赦ください)、かつて日本は高精度なガラスレンズを得意としていました。
光軸や収差を極限まで抑える、まさに“匠の技”が光る分野です。
ところが、デジタル画像処理の進化によって、レンズのわずかなズレや歪みはソフトウェアで補正できるようになりました。
その結果、安価なプラスチックレンズでも十分な性能が得られるようになり、ガラスレンズの優位性は急速に薄れていったのです。
「正確さ」の定義が変わった
つまり、デジタル化によって「レンズが光学的に正確である必要はなく、撮影結果として正確であればよい」
という時代になった、ということです。
“正確無比なものづくり”という日本の強みが、ソフトウェアによって補えるようになってしまった。
その結果、高価で高度な製造は、より安価な東南アジアへと流れていったわけです。
『レンズが光学的に正確なもの』→『撮影結果として正確であれば良い』
さあどうする?
しかし近年、東南アジアの製造技術が驚くほど進歩しており、安かろう悪かろう」だった時代はすでに終わりつつあります。日本のものづくりは、再び追い上げられる立場に立たされているように思います。だから “日本の強みとは何か”を見つめ直す必要があると思います。
実際に、新規事業創出のコンサルティングの現場では、自社の強みとはなにか?というのをまず最初に考えるところからスタートしています。
一緒に考えてみませんか?
新規事業創出:地方活性化のためのトラフグの陸上養殖について
トラフグの陸上養殖について
7月に、富山県氷見市で養殖事業の会社を立ち上げました。
約5年前にコンサル先の企業と人工海水を共同開発したことをきっかけに、養殖メーカーとのお付き合いが始まりました。私自身は、地域活性化の構想や会社の利益の仕組みづくりを担い、企画を進めてきました。
地方の活性化が大きな目的のため、大企業のような大規模なものではなく、地域の特長を活かした養殖を目指しています。
地域ブランド化
ふるさと納税との連携
地元の旅館や飲食店との協働
地域産物を餌に取り入れることでの差別化このモデルを他の地域にも展開できればと考え、活動を続けています。
企業様や地方自治体など、ご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
なお、私自身は半導体や素材が専門なのですが、新規事業って全く同じなんですね。
お魚さんからパワー半導体まで頑張ります !







