日々の気づき/ブログ
後発企業の市場参入における先発企業との競争―4つのポイント
前回は、後発企業が市場に参入する際に注意すべき点についてお話ししました。先発企業は必ずしも有利ではなく不利な要素も存在します。ここでは、それらのポイントを具体的にご紹介します。
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革新の不足: 先発企業は成功したビジネスモデルに固執し、新たな革新やアプローチを見落とす可能性があります。後発企業が革新的なアイデアや技術を提供すれば、市場での競争力が向上し、新たな市場チャンスをつかむことができます。
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市場変化への対応: 先発企業は市場をリードしていますが、市場は常に変化しています。後発企業は素早く市場変化に対応できるため、先発企業よりも柔軟な展開が可能です。特に先発企業が設備投資などをしていた場合には新たな設備投資が難しく、動きにくくなります。このような市場変化への迅速な対応が後発企業の優位性となります。
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競合他社の挑戦: 変化している市場や伸びている市場には競合他社が参入しやすいです。そこに後発企業が新しい製品やビジネスモデルを提供すれば、先発企業の市場シェアを奪取できるかもしれません。競争が激化する中で、先発企業は市場ポジションを守るためにさらなる努力が必要となります。前述のように先発企業が一定の投資や改良しにくい商品を発売していた場合には対応が遅くなります。
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市場拡大の制約: 先発企業は早期に市場に参入しているため、一定の市場シェアを確保しています。しかし、市場が成熟すると成長が鈍化する傾向があります。一方、後発企業は成熟市場に参入するタイミングで新たな成長領域を見つけることができるでしょう。
以上のように、先発企業がすべての面で有利とは限りません。後発企業は先発の不利な点を突破し、市場参入を成功させるために、革新と柔軟性を重視していくことが重要です。
後発企業の成功の秘訣:後発優位を活かす5つのポイント
商品開発や新規事業のスタートでは、しばしば後発になることがありますが、それが絶望的な状況を意味するわけではありません。実際に後発企業には有利な側面もあります。以下の視点を考慮すると、後発企業にとって有利な点が見えてきます。
① 需要の不確実性の判断ができる:
後発企業は、先発企業が新商品を市場に投入している過程を観察することで、需要の不確実性を正確に把握できます。先発企業の市場形成に関する情報を元に、後発企業は市場の規模や需要の可能性を推測することができます。このようにして、後発企業はリスクを低減しつつ効果的な製品開発を行えるのです。
② プロモーションコストの低減:
後発企業は、先発企業が既に行ったプロモーション活動を活用することで、販促コストを削減できます。先発企業が行った広告や宣伝活動により、商品の認知度が高まっているため、後発企業はそれを基にした販売戦略を展開することができます。
③ 研究開発コストを低く抑えられる:
後発企業は、先発企業の研究開発データや知識を参考にすることで、コストを抑えつつ効果的な開発が可能です。先行企業の論文情報や特許情報、関連研究機関とのヒアリングなどを活用し、後発企業は既存の知見に基づいて効率的な研究開発を進めることができます。
④ 顧客の変化に対応しやすい:
後発企業は市場に投入された商品の実際の使用状況や顧客の要望を観察し、迅速に対応できます。先行企業が既に存在する商品の改善や顧客の変化への対応は、既存製品との関係性から制約を受けることがありますが、後発企業は柔軟に新たな要望に応えることができます。
⑤ 技術面での不確実性に対応できる:
後発企業は、先行企業が発売後に生じた技術的な問題や不具合から学び、リスクを回避できます。例えば、先行企業が既に発売した商品において技術的な不具合が発生した場合、後発企業はその問題を回避したり、改善したりすることができます。こうして、後発企業は先行企業が抱える技術面の不確実性を回避し、より信頼性の高い製品を提供することが可能です。
これらの視点を念頭に置くことで、後発企業が有利な立場を活かし、成功に向けて大きく前進することができるでしょう。
キャズムを利用して後発での市場参入を有利にする
キャズムとは、新しい製品や技術が市場に導入される際に生じる市場の段階差を指します。新しい製品や技術は最初は限られた先駆者や革新的な顧客によって受け入れられ、これを「早期市場」と呼びます。この段階では製品に興味を持ち、新しいものを試すことに積極的な先駆者たちが存在します。
しかし、一般の顧客層には新しいものへの受け入れに慎重な傾向があります。新しい製品や技術に対して疑問を持ち、リスクを避けるために慎重になるのです。この一般の顧客層を「主流市場」と呼びます。
キャズムは、この「早期市場」と「主流市場」の間に大きなギャップがあることを示しています。このギャップが存在するため、新しい製品や技術が「早期市場」から「主流市場」へと広く普及することが難しくなるのです。
後発企業がキャズムを活用する方法は、先行企業が開拓した市場をよく分析し、先駆者の成功や失敗から学び取ることです。また、一般の顧客層のニーズをよく理解し、先駆者がカバーしきれなかったニーズに焦点を当てることも重要です。
後発企業は、新しい製品や技術の問題点や課題を洗い出し、改善点を見つけることができます。さらに、先駆者が築いた市場における競争を避けるために、他の要素で差別化を図る戦略を立てることも重要です。
このように、キャズムを理解して後発企業は市場参入の際に適切なアプローチをすることで、先行企業と差異化し、成功する可能性を高めることができるのです。
後発だからといってチャンスがないわけではなく、チャンスは必ずありますそこを狙いましょう!
学会発表 窒化ガリウム膜、酸化ガリウム膜
1)
反応性スパッタ法による窒化ガリウム薄膜の作製
Preparation of Gallium Nitride Thin Films by Reactive Sputtering
2)
酸素/窒素混合ガスを用いた反応性スパッタ法による酸化ガリウム薄膜の作製
Preparation of Gallium Oxide Thin Films by Reactive Sputterring with Oxygen-Nitrogen Mixed Gas
上記2件のテーマについて2023年7月29日の応用物理学会の中国四国支部にて発表しました。
スパッタ法によって、GaNやGa2O3膜をエピタキシャル成長させ特性を評価したものです。
まだ、基礎的な結果ですがいろんな用途に使えるものとして期待しています。
今後も研究を進めていきたいと思います。
新規事業は誰もやっていないテーマでなければならないか?
答えとしてNOだと思います。
後発でも問題ないです。ただし、先発の事例をよく研究して、後発の優位なところを活かす必要があります。
1)需要の不確実性を判断できる:
研究開発の初期段階では、商品の市場規模や売上の予想が難しいです。しかし、後発企業は先発の動向を見てから開発をスタートできるため、開発投資のリスクを減らすことができます。
2)プロモーションコストが低減できる:
後発企業は、先発が行ったプロモーションに比べて低コストで市場に参入できます。既に顧客がイメージできるため、商品の説明も容易で差別化ポイントを強調することで効率的に販売できます。
3)研究開発コストを抑えられる:
後発企業は、先発のデータを参考にすることができます。先行研究や特許情報を活用しながら、効率的に開発を進めることができます。
4)顧客の変化に対応しやすい:
後発企業は、商品の発売後に顧客の使い方や要求が変わる場合に柔軟に対応できます。一方、先発企業は既存の製品との関係から大幅な改良が難しいことがあります。
5)技術面での不確実性に対応できる:
商品の技術的な問題が発生した場合でも、後発企業は素材や製造工程などを見直しながら開発を進めることができます。先発企業よりも柔軟に対応できるのです。
以上が後発企業の優位性ですが、必ずしも後発が優れているわけではありません。ただし、後発企業は先発の成功や失敗、市場情報を参考にすることで優れた商品を生み出すことができると考えられます。
後発企業に参入する際には、他の人の批判や評論に振り回されず、技術の本質や周辺技術、将来性を考慮して判断することが重要だと思います。
一緒に、新しい事業を考えてみませんか?