日々の気づき/ブログ

2024-02-11 14:03:00

技術の棚卸しから新規事業開発へ: 企業成長のためのプロセス

最近、技術の棚卸しに関する相談が増えています。特に注目されているのは、富士フイルムが銀塩写真技術から化粧品業界へとビジネスを拡大した成功例です。このケースは、技術の棚卸しを通じて、既存技術を新たな市場や製品に応用する機会を模索するプロセスの見本としてよく引き合いに出されます。

技術の棚卸しでは、通常、企業が保有する技術の中から、特に重要な知的財産を含む技術キーワードを選び出し、整理する作業が行われます。しかし、実際にこの作業を進めてみると、多くの場合、表面的で実質的な内容に乏しい結果になることがしばしばです。例えば、「有機合成」という技術が、大手化学メーカーにおける技術の中核として挙げられることがありますが、この分野は確かに化学メーカー各社の強みとなっていますが、それだけで新しい製品やアプリケーションが生まれるわけではありません。

直接の関係者ではありませんが、富士フイルムの例では、単に技術の棚卸しを実施しただけでなく、化粧品分野への明確な進出意志があったため、どの技術が再び必要かを特定し、棚卸しを行ったのだと考えられます。

重要なのは、技術の棚卸しを行うだけでは、新しい方向性やアイデアは生まれないということです。新規事業を開発するためには、目的とするビジョンや目指すべき方向性に「魂」を込めた棚卸しが必須です。

技術の棚卸しを考えている企業はしばしば、このプロセスを目的として捉えがちですが、実際には新規事業の創出や将来への一歩として捉えるべきです。技術の棚卸しは、新たな市場の開拓や将来的な成長を目指す企業の戦略的取り組みの一環となるべきです。

関連するテーマで来月セミナーを開催予定です。興味のある方はぜひご参加ください。

自社技術の洗い出しと新規事業創出方法【LIVE配信】
参加受付中 2024-03-04
https://www.rdsc.co.jp/seminar/240314
開催日時:2024年03月04日(月) 13:00~17:00
主催:(株)R&D支援センター

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2024-01-23 23:31:00

テニキカルショウヨコハマ 2024/2/8 15:00~15:20 でショートプレゼンテーションを行います

2024/2/7-2/9にパシフィコ横浜にて催されるテクニカルショウヨコハマにてミニ講演を行います。

場所:パシフィコ横浜(テクニカルショウヨコハマ)
会場:ビジネス支援ゾーン ブースN37・N38
2月8日15時から15時20分

https://www.tech-yokohama.jp/

合同会社アデリテ様のブース内にて
「実践重視! 新規事業創出のための伴走型コンサルティング」

について語ります。

ご興味のある方は足をお運びいただければ幸いです。

チラシ

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2024-01-16 10:23:00

新規事業を伴走支援:カスタマイズされたコンサルティングで目指す成功への道

私が提供している新規事業のコンサルティングサービスは、大手コンサルティング会社のものとは異なります。私のアプローチでは、単にアイデアを提供するだけではなく、新規事業が持続可能に成長するよう、クライアントのチームと密接に協力し、企業文化にマッチした方法でコンサルティングを進めています。もちろん、アイデアの提供や、他社との協業を通じたオープンイノベーションの支援も行っています。

良いアイデアがあっても、それが製品化されるまでの道のりは簡単ではありません。アイデアが最終的な製品に至るまでには、マーケティングや試作の段階で徐々にその形を変えていかなければなりません。アイデア提供だけでは、途中で市場のニーズに合わなくなった場合(たとえば市場に合わないと判断された際)、プロジェクトは失敗と見なされがちです。しかし、適切な変更を行うことで市場に適した製品が完成することが多いです。このプロセス全体を通じて、私たちはクライアントと共に伴走し、サポートを提供しています。



以下に、最近の主な実績を紹介します。大企業はある段階までコンサルティングした後、社内でプロジェクトを進めることが多いです。中小企業では、商品化までの伴走支援を求められることが一般的です。

【事例1】中小企業での新商品開発
課題: 新しい商品開発の意欲はあるが、具体的な方法がわからない。
支援内容:
社内の強みや得意分野、望む方向性を調査(アンケート実施を含む)。
テーマを特定し、具体的な進め方を提案。
外部リソースを活用して試作品を作成。
試作品の特徴を特許出願し、他社の参入を抑止。
展示会に出展し、テストマーケットを開始。

【事例2】大企業での新規商品開発とコストダウン
課題: 既存商品の売上が伸び悩み、新しい商品の開発が必要。
支援内容:
既存商品から派生する商品候補を10程度選定。
企業名を伏せた覆面市場調査を10回以上実施。
調査結果から有望なテーマを一つ選び、製造の適性を考慮。
既存の生産ラインを活用した商品開発をサポート。
市場とのヒアリングを重ね、過剰スペックの削減とコストダウンを実現。

【事例3】大企業の研究所にて新規デバイスの開発支援
課題: デバイス技術に関する専門知識が不足し、開発方向性が定まらない。
※既に開始していたプロジェクトの技術支援。
支援内容:
現状を速やかに把握し、知的財産として保護可能な領域を特定しサポート。
コストを考慮した構造設計のためのアイデアを提供。
外部と連携しながら試作品の製作を支援。
将来の市場展開を見据えた知的財産の構築をサポート。

【事例4】大企業の研究所にて新規テーマの立ち上げ
課題: 既存事業の拡張と、強みを活かした新規事業の創出。
支援内容:
営業部門と連携しながら新たなビジネスチャンスを探索。
新規テーマの立案と推進。
人材の確保と初期の研究開発プランのサポート。
新規プロジェクトの新聞発表と展示会での発表実施。

2024-01-04 21:58:00

ステージゲートシステムの運用:研究開発での成功の秘訣

ステージゲートシステムとは?

ステージゲートシステムは、プロジェクト管理の手法の一つで、特に研究開発プロジェクトに適しています。このシステムは、プロジェクトを複数の段階(ステージ)に分割し、各段階の終了時に評価ポイント(ゲート)を設けることによって機能します。例えば、「Gate1:テーマ探索」、「Gate2:要素研究」、「Gate3:事業化アイデア」、「Gate4:事業コンセプト」といったように、提案段階から量産に向けてステップアップしていきます。各ゲートでの評価を通じて、プロジェクトの進捗を確認し、次の段階へ進むかどうかの意思決定を行います。この方法は、リスクを段階的に管理し、資源の効率的な配分、プロジェクトの進捗の明確な追跡、適切なタイミングでの意思決定を可能にします。ステージゲートシステムは、計画の透明性を高め、プロジェクトの成功率を向上させるのに寄与します。
しかし、このシステムは未達項目の存在や、テーマの失敗の可能性から、研究開発者に敬遠されることがあります。研究者のアイデアが潰される懸念もあります。
そこで、私は以下のような柔軟なステージゲートシステムの運用を提案します。

抜け漏れなく、かつ柔軟に

ステージゲートシステムは、プロセスの抜け漏れを防ぎつつ、プロジェクト全体の概要を把握しやすくします。また、計画通りに進行しているかどうかを定期的にチェックすることが可能です。このシステムの特筆すべき点は、その柔軟性です。全てのポイントが各ステージで完全に達成される必要はなく、状況に応じて次のステージへ進むことができます。これは、不確実性が高いR&Dの領域において特に重要です。研究開発では、予期せぬ結果や障害がしばしば発生し、ステージゲートシステムはこのような状況でもプロジェクトを前進させるための適応力を提供します。

結論

結論として、ステージゲートシステムは、研究開発プロジェクトにおけるリスク管理と効率的な資源配分に非常に有効なツールです。その構造化されたアプローチは、明確な進捗追跡とともに、プロジェクト成功の確率を高めます。同時に、その柔軟性は、不確実なR&D環境においても、プロジェクトを適応的に前進させる能力を持ちます。したがって、ステージゲートシステムの適切な運用は、研究開発の分野において重要な役割を果たすことができます。

 

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2023-12-25 23:44:00

新商品開発の成功への道:技術者出身コンサルタントによる伴走支援の重要性

新しい商品を開発したいが何をすればいいかわからない。新規事業を進めたいがやり方がわからないという企業様からの相談があります。そして、大手コンサルティング会社に相談すると高額な金額で、分厚い資料のきれいなプレゼン資料ができてきます。さらに中身は、論理的なストーリーの目標が描かれています。一見すると確かに素晴らしい資料で素晴らしい目標設定で、この資料通り進めればスゴイ製品ができそうです!しかしながら大きな欠点があります。それは商品化までの数年間の時間の経過、実際にものを作っていない机上の空論、マーケットの評価も受けていないし、製造工程も決まっていない...。一番大きな問題は真にニーズに合っているかどうか?です。そのため途中でサンプルを作って顧客にもっていき、評価を受けながら修正していく作業があります。これにより、当初の目標よりも大きく変わった商品ができることもあります。
こうしたコンサルティング資料の範疇を超えて、製品の承認と開発を進めることが求められる場合、多くのコンサルティング会社はそのサポートを提供していません。目標が変化した時点で製品化を断念する企業も少なくないのが現実です。

私のような技術者出身のコンサルタントは、ドキュメントの作成以上の価値を提供します。実際の製品開発に深く関与し、顧客の意見を取り入れつつ、目標を柔軟に修正し、実現可能なゴールに到達するための伴走支援を行います。マーケティング、技術開発、知的財産の取得といった面で綿密な支援を行い、ステージゲートを利用した徹底したチェックを通じて、最終的なゴールへと導きます。
お困り事がありましたらお気軽にご連絡ください。

 

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