日々の気づき/ブログ
2025-08-09 17:46:00
世界を驚かせたxMEMSの「オールシリコン」マイクロ冷却チップ
世界を驚かせたxMEMSの「オールシリコン」マイクロ冷却チップ
半導体の高性能化が進む中、課題のひとつが熱対策です。CPUやGPU、メモリ、バッテリーなどの発熱は、製品性能や寿命に直結します。そんな中、米国のxMEMS Technologiesが開発したXMC-2400 μCooling chipは、世界中のMEMS技術者を驚かせました。
このチップは、もともとxMEMSが培ってきた圧電MEMS技術をマイクロスピーカーから転用したもの。半導体パッケージ上に載せられる世界初のオールシリコン製ファン・オン・チップです。厚さはわずか1mm、超音波帯域で駆動するため、耳に聞こえる騒音が発生しません。
技術の仕組み
圧電MEMS膜を超音波帯域で振動させ、高周波の圧力変動を発生。この変動をマイクロバルブで同期制御し、非対称のパルス気流を作ります。従来のような機械ベアリングがないため
・超薄型
・低振動
・静音
といった特長を実現しています。
応用の可能性
このμCooling chipは、特に狭いスペースでの冷却が求められる半導体パッケージに最適です。スライドの例では、CPU/GPUやメモリ、バッテリーの熱源上に直接配置し、効率的に放熱できることが示されています。従来の冷却ファンでは難しかった、薄型デバイスや静音が求められる機器への応用が広がりそうです。
まとめ
xMEMSのXMC-2400は、冷却技術におけるパラダイムシフトを予感させます。超音波駆動の無接触ファンは、従来のメカニカル構造の常識を覆し、電子機器の設計自由度を大きく広げる可能性を秘めています。サンプル出荷も始まっており、近い将来、私たちが手にするデバイスにもこの技術が搭載される日が来るかもしれません。
MEMS技術者の皆さん、一緒にこれを超えるようなMEMSを作りましょう!