日々の気づき/ブログ

2023-09-02 15:15:00

圧電材料とMEMS:電気を生み出す不思議な素材とその使い方

圧電材料とは、力(圧力)を加えると電圧を発生する(圧電効果)または電圧を加えると変形する(逆圧電効果)性質を持つ材料のことです。圧電効果は、物質内の正負のイオンが力によってずれることで電気分極が生じる現象です。逆圧電効果は、電気分極によって物質内に応力が発生し、物質が伸縮する現象です。圧電材料には、水晶やPZT(チタン酸ジルコン酸亜鉛)などの単結晶やセラミックス、PZTやAlN(窒化アルミニウム)などの薄膜などがあります。以下の図でイメージを示します。

この特性により、圧電材料は機械エネルギーと電気エネルギーの相互変換が可能となり、さまざまな応用が可能です。例えば、センサとしては、振動や音波、流体の流れや液面、温度や加速度などを検出することができます。アクチュエータとしては、超音波モーターやカッター、インクジェットヘッドやマイクロスピーカーなどに広く使われています。また、発振子やフィルタとしては、クロックや通信機器などに応用されています。

近年、圧電材料は小型のデバイスにさらなる応用が広がっており、特にMEMS(微小機械素子)分野でその重要性が際立っています。例えば、インクジェットヘッドでは圧電材料を用いて電圧を印加すると、液体のインクを精確に吐出することができます。MEMSマイクロフォンでは、音波によって圧電薄膜が振動し、その変位を電気信号に変換する役割を果たします。MEMS加速度センサでは、重力や加速度によって圧電薄膜が変形し、その応力を電気信号に変換します。同様に、MEMSジャイロスコープでは、回転運動によるコリオリ力を圧電薄膜で検出します。そして、MEMSプロジェクタでは、圧電薄膜を用いてミラーを駆動し、光を反射して画像を投影します。

圧電材料とMEMSは、それぞれ独立した技術分野ですが、互いに補完し合う関係にあります。圧電材料はMEMSの重要な機能素子として使用される一方で、MEMSは圧電材料の新たな応用領域として期待されています。今後も両者の技術革新が進み、より高度で多様なデバイスが実現されるでしょう。

当社では圧電材料とMEMS分野に関するアドバイスを提供しております。何かご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。

 

圧電効果.jpg

圧電膜の応用.jpg

 

 

 

2023-08-30 22:06:00

「新規事業のアイデアを考える際の3つのポイント:やりたいこと、できること、社会の役に立つこと」

新規事業のアイデアを考える際には、重要な3つのポイントが存在します。それは、「やりたいこと」、「できること」、「社会の役に立つこと」です。これらを簡単に説明します。

やりたいこと:
自分の情熱や興味、趣味の延長などを活かして、魅力を感じる商品やサービスの分野を選ぶことが大切です。自身の趣味や専門知識を活かした製品開発に取り組むことで、長期的なモチベーションを維持することが可能です。新規事業にはさまざまな困難が伴いますが、強い意志を持っていればその困難も克服できるでしょう。逆に、無理にやらされていると挫折しやすいです。

できること:
自身のスキルや経験、そして会社の強みを活かして商品やサービスを提供することが成功の鍵です。まったくの未経験分野や弱みがある場合、学習に時間がかかることもあります。ですから、まずは自分/自社の得意な分野から着想を始めることが重要です。

社会の役に立つこと:
役立つ商品やサービスは、需要が存在することを意味します。自分勝手なアイデアではなく、社会や顧客のニーズに応えることが必要です。また、社会の役に立つ商品は、潜在的な需要があれば認知されると売れ始めることもあります。他人を助けることがモチベーションとなり、商品開発にも熱意を注げることでしょう。市場の動向を見極め、トレンドを把握することが役立つ商品を考える上での重要なステップです。

新規事業を始める際には、自身の情熱やスキル、そして社会の需要を考慮することが成功への鍵となります。自分自身や自社の個性を活かしながら、独自で魅力的な商品やサービスを提供し、新しいビジネスの可能性を切り開いてみましょう。

2023-08-22 21:03:00

新規事業展開の落とし穴!「大企業病」を回避するPDCAサイクルの鍵とは

いくつかの企業とのコミュニケーションを通じて感じたことを共有します。

「大企業病」という現象が存在しますが、最近では中小企業でも同様の傾向を感じることがあります。この問題は、組織内で発生する課題であり、特に中間管理職が上司に報告する際に、完璧な成果を追求しすぎてしまい、その過程で部下たちが疲弊し、報告が滞るという状況を指します。特に目立つのは、中間管理職が見栄えの良い資料を作り上げるまで仕事が終わらないケースです。新規事業のアイデア出しにおいても、いくら市場調査を行っても、社会に存在しない概念はなかなか評価されません。そこで、市場に存在感を示すためのモック(サンプル)を作成し、市場との対話を通じて着実に前進する方が効果的です。

実際のところ、大企業のトップ層(部長や役員)は、必ずしも完璧な成果を求めているわけではありません。しかし、中間管理職や現場の人々は上司に対して、あたかも全てが完璧であるかのように見せようとし、結果として調査や計画に時間を費やし続けてしまいます。

本来、計画を適度に立てて即座に行動し、その後PDCAサイクルを活用して改善することが重要です。しかし、大企業では計画だけが強調され、実際の実行が遅れることがしばしばあります。つまり、PDCAが永遠に続く状態に陥りがちです。そう、PDCAではなく、PPPPP....となります。

この課題を克服するためには、完璧な結果を追求するのではなく、柔軟な計画と実行を重視し、失敗から学びながら着実に改善していく姿勢が必要です。経営陣から現場まで、迅速な行動を重視し、完璧さよりも進化に注力する姿勢を持ち、PDCAサイクルを素早く回すことが鍵です。

 AIで描いた大企業病.jpg

2023-08-15 22:25:00

「大企業病」の克服方法:考えすぎない!

「大企業病」とは、大企業環境で陥りがちな問題の一つです。最近は大企業でなくてもその傾向がありますが....。その中でも、新しいアイディアやプロジェクトを実行に移す際に、過度な情報収集や検討に陥る現象が挙げられます。この状況では、市場の見通しが不透明であるためにスタートを躊躇してしまうケースがあります。また、時間の割に得られる成果が少なく、プロジェクトがいつまでもスタートできないこともあるでしょう。こうした課題に対処する方法として、以下のポイントが考えられます。

不確実性への向き合い方
新規事業をスタートする際には、不確実性を受け入れる勇気が求められます。市場の反応や顧客の購買意向は事前に完全に予測することが難しいため、大まかな数字やプランでスタートすることが肝要です。外部専門家の意見を参考にしつつも、自身のビジョンと判断力を信じて一歩を踏み出すことが、成功への道を拓く秘訣です。

スタートの重要性を認識する
市場が明確で、成功が確実なアイディアは希少です。新しいプロジェクトや事業は、行動しなければ何も始まりません。顧客の反応や市場の変化は、スタート後に初めて明らかになることも多いのです。従って、スタートする勇気を持つことが、成果を上げるための第一歩となるのです。

外部専門家の役割
市場や業界の専門家は、データやトレンドに基づいた洞察を提供できます。新しい事業アイディアを検討する際に、彼らの意見を取り入れることで、市場のポテンシャルや競合状況をより正確に把握できます。このプロセスは、市場の見通しを狭めるリスクを軽減し、スタートの決断を後押しします。

結論
「大企業病」を克服するためには、外部専門家の意見を活用することが非常に有益です。市場の不確実性やリスクに直面しながらも、スタートの重要性を理解し、自信を持って行動することが、新たな成果を上げる鍵となるでしょう。
私の場合は経営の視点と現場の視点療法からアドバイスできるかと思います。一緒に考えましょう!

2023-08-08 09:17:00

新規事業をスタートさせる際、上司の懸念を乗り越えて成功へ

新規事業を展開する際、上司からのネガティブな言葉に直面することはよくあります。この記事では、上司の懸念を前向きな展望に転換し、成功への道を切り開く方法に焦点を当ててみましょう。

「成功する保証はない」「競合他社が強すぎる」「市場が小さい」といった言葉は一般的ですが、これらは逆に新たなビジネスの可能性を示唆しています。激しい競争環境があるからこそ、差別化ポイントを見つけ、市場での独自性を発揮するチャンスがあります。

また、「経験者がいない」という状況は、新しいアプローチを試す好機です。新規事業や新商品については誰もが未経験です。過去の失敗から学び、効果的な戦略を構築できます。外部との連携や専門家の協力を検討することも重要です。これらの課題に対処することで、新しいビジネスの展開に新たな可能性が広がります。

筆者自身も、若いころ商品開発に取り組んだ際、「売ったことがない!」、「市場が小さい」という声に直面しました。しかし、新規性に起因する挑戦は当然のことであり、市場の成長潜在能力を見逃すわけにはいきません。その後の成果を振り返りながら、自身のビジョンと説得力の重要性を理解しました。

上司の懸念は、新規事業のリスクや困難を考えての発言ですが、適切な対策を練り、前向きなアプローチで進むことで、成功への道を開くことができます。また、上司とのコミュニケーションを大切にし、協力体制を築くことで、新規事業の成果を最大限に引き出すことができるでしょう。新規事業の展開は挑戦的ですが、楽しみながら課題に取り組み、前向きなステップを進めていきましょう。

何かお困りの際は、いつでもご相談ください。テーマ創出、市場探索、自社の強み探しなど一緒に進めましょう。
成功への道を共に歩んでいきましょう!

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