お知らせ

https://fujii-tech.com/diary/233300

 

新規事業開発のルールが変わった 
~技術主導から「顧客洞察・仮説検証」へ~

「良い技術があるのに、事業にならない」
「どの市場を狙えばよいのかわからない」
技術系の新規事業では、こうした悩みがよくあります。

昔の新規事業は、比較的シンプルでした。自社に強い技術があり、それを製品化し、大量生産して、営業が市場へ売りに行く。
成長市場では、「良いものを作れば売れる」可能性が今より高かったのだと思います。

しかし、今は違います。

技術が優れていることと、顧客がお金を払うことは別です。「この技術はすごい」「性能は負けていない」と考えても、顧客課題につながらなければ事業にはなりません。

これからの新規事業で重要なのは、次の流れです。

① 自社の強み分析 → ② 顧客洞察 → ③ 仮説構築 → ④ 顧客対話

まず自社の強みを整理する。次に、顧客が本当に困っていることを洞察する。そこから仮説を立て、顧客との対話で検証する。

反応が悪ければ、用途を変える。顧客を変える。組む相手やビジネスモデルを変える。さらには作るモノの方向性を変える。

新規事業は、最初から正解を当てる活動ではありません。検証を繰り返しながら、勝てる形・売れる形に近づけていく活動です。技術がある会社ほど、チャンスはあります。ただし、技術をそのまま売るのではなく、顧客課題にどう接続するかが重要です。

コンサルティングでは、技術系企業向けに、用途探索、顧客候補の整理、仮説検証の進め方まで、新規事業開発を支援しています!

 

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https://fujii-tech.com/diary/232252

AIの進化で、CPUGPUSSDなどの発熱が大きな課題になっています。発熱が増えると、機器は自分を守るために性能を落とします。いわゆる熱による性能制限です。これまでは、ファン、ヒートシンク、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーなどで熱を外部に逃がしてきました。しかし、薄型PC、スマートフォン、XRグラス、エッジAI機器では、さらなる「薄い・静か・小さい」冷却が求められます。

そこで注目されているのが、MEMSを使って空気を動かす技術です。

たとえばFrore Systems社のAirJetは、ソリッドステートのアクティブ冷却チップとして展開されています。
AirJet Mini G2は、7.5Wの熱を除去し、21dBAの静音性をうたっています。添付資料でも、AirJetMEMS超音波アクチュエータを使った熱対策技術として説明されています。

 

AirJet Mini G2 Product Card

またxMEMS社も、µCoolingという「fan-on-a-chip」を発表しています。
1mm厚のソリッドステート冷却チップで、エッジAI機器や低消費電力のデータセンター部品向けと説明されています。

xMEMS |マイクロ冷却 |エッジAIデバイスおよびAIデータセンター

面白いのは、これらは単にモーターで羽根を回すのではなく、圧電MEMSの微細な振動で空気を動かし、熱源の近くに局所的な風を送ります。
イメージとしては扇風機というより団扇が近いと思います。MEMSの中の人が団扇でパタパタしている感じです。
MEMSはこれまで、加速度センサー、ジャイロ、マイク、インクジェットヘッドなとして広がってきました。今度は「熱を逃がすために動く部品」として、期待されています。

AIの性能競争は、半導体だけでなく、熱設計の競争でもあります。熱のマネジメントをどうするかというのは頭の痛い問題です。このデバイスはその解決の一つの方法だと思います。そしてMEMS、圧電薄膜、微細加工を持つ企業にとって、冷却は新しい出口になるかもしれません。

新しいデバイスが出てくる予感がします!

 

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https://fujii-tech.com/diary/231471


AIに頼りすぎるな ~最後に魂を入れるのは人間~

新規事業創出でも、AIを使う場面はかなり増えています。

市場を調べる。 
既存特許を分析する。
競合を整理する。
用途を広げて考える。
技術と市場の接点を探す。

こうした作業では、AIはとても便利です。
特に、自分たちがまだ知らない市場情報を調べるときには有効です。
昔であれば、展示会に行き、人に会い、資料を集め、かなりの時間を使って足で稼いでいた情報も、今は多くの企業がネット上に公開しています。
そのため、ネット上にある範囲であれば、AIがある程度拾ってきてくれます。
新規事業の最初の仮説づくりとして、AIを使うのはありだと思います。

ただし、AIに頼ってはいけない部分もあります。

自社技術の本当の強み。
自社しか知らない実験結果。
現場で感じた違和感。
失敗から得た知見。
顧客との会話で見えた本音。

こうしたものは、AIには出てきませんし、これを外すといい提案にはなりません。

 AIは、なんとなくきれいな文章や、なんとなくかっこいい図を作ってくれます。
しかし、よく読むと中身と合っていないことがあります。
一見それらしく見えても、実際には使える案になっていないこともあります。 
要するに、魂が入っていないのです!
新規事業支援の現場でも、きれいな絵や文章を作ってくる人にその中身を聞くと、ちゃんと答えられないことがあります。
これは、AIで形を整えただけで、自分たちの経験や考えが十分に入っていないからだと思います。

 調査や整理はAIに任せてもいい。
でも、問いを立てること、判断すること、魂を入れることは、人間がやるべきです。
AIを使う時代だからこそ、最後は自分たちの経験で勝負することが大事だと思います。

AIを使いこなしながら、一緒に新規事業を生み出しましょう!
いつでもご連絡ください。

https://fujii-tech.com/diary/230670

 

失敗に見えるものは、成功までの途中経過である

新規事業や技術開発では、最初から成功することはほとんどありません。

まず、「こんなニーズがあるのではないか」「この技術が使えるのではないか」と仮説を立てます。

次に、試作品やサンプルを作り、市場や顧客に評価してもらいます。

そして、うまくいかなければ修正して、また試します。

この繰り返しの先に、ようやく商品化があります。

外から見ると、この途中経過は「失敗」に見えることがあります。

評論家は、うまくいかなかった一瞬だけを見て、「ほら見ろ」と言うかもしれません。

しかし、実際の新規事業はそういうものです。 

失敗したら終わりではなく、失敗から何を学び、次の仮説をどう変えるかが重要です。

 

成功までの道は、きれいな直線ではありません。 

図の右側のように、何度も失敗を通りながら、それでも上に向かって続いている道です。

大事なのは、失敗しないことではありません。

市場の声を聞き、技術を見直し、また試すことです。

技術を事業に変えるには、研究開発だけでは足りません。

市場との対話を繰り返しながら、使われる形に近づけていく必要があります。

 

成功とは、失敗を避けた結果ではなく、失敗を通過してなお進み続けた結果だと思います。

 

新規事業を考えている人にとって、最初の失敗は避けられないものです。

むしろ、失敗が出てきたということは、市場に近づいている証拠でもあります。

技術を磨き、仮説を直し、顧客の声を聞きながら、少しずつ前に進む。

その積み重ねが、いつか事業になります。

新しいことに挑戦している皆さん、簡単ではありませんが、あきらめずに進んでいきましょう!!!

 

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https://fujii-tech.com/diary/category/1045779

 

最近、「黒字リストラ」という言葉を目にする機会が増えました。

赤字だから人を減らすのではなく、黒字であっても、将来の事業構造の変化を見越して人員を見直す。そんな動きが、大手企業でも広がっていますね。

製造業でも、希望退職や人員削減のニュースが相次いでいます。

・ジャパンディスプレイ:1,500人規模

・パナソニック:国内外で大規模削減

・日産:追加削減を含む大規模な再建策

・オリンパス:国内外で2,000人規模

・三菱電機:4,700人規模

・ブリヂストン:数百人規模

・マツダ:500人規模

もちろん、各社の事情は異なります。しかし共通しているのは、「大企業にいれば安心」「今の事業が続けば安心」とは言えなくなっています。

例えば製造業においては材料、部品、装置、プロセス、品質、評価、生産技術、どれもにとって重要な技術です。しかし、その技術が属している市場そのものが縮小すれば、専門性の価値も下がってしまい、リストラをせざるを得ない状況になります。

これは、技術力が低いからではありません。技術と市場の組み合わせが、時代と合わなくなっているということです。中の人の努力ではどうしょうもないことなのです。

この考え方については、以前の記事でも書きました。

 

技術・キャリアの「賞味期限」をどう延ばすか https://fujii-tech.com/diary/226911

 

これからの技術者に必要なのは、専門を深めることだけではありません。自分の技術を、どの市場でどのように活かすかを考える力です。

たとえば、同じ材料技術でも、既存市場では縮小していても、半導体、エネルギー、医療、ロボット、環境、宇宙、インフラ更新などの分野では、新しい価値を持つ可能性があります。つまり、技術者が生き残るためには、「自分は何ができるか」だけでなく、「それを誰が必要としているか」まで考える必要があるということです。

これは個人だけの問題ではありません。会社はとしては社内技術を次の事業に変える必要があるということです。企業の中にも、まだ使える技術、設備、特許、人材、過去の研究開発テーマが数多く眠っています。にもかかわらず、それらが既存事業の中だけで評価され、十分に活用されないままになっていることがあります。

黒字リストラの時代に本当に必要なのは、人を減らすことだけではなく、社内にある技術を、次の事業に結びつけることだと思います。

・技術を棚卸しし、要素技術や機能に分解する。

・それを伸びる市場や顧客課題と掛け合わせる。

・そこから、新しい用途や事業仮説を作る。

このプロセスによって、既存事業では活かしきれなかった技術が、新規事業の種になる可能性があります。生き残るための共通点は「技術を新しい市場に展開する力」ですね。

技術者は、自分の専門技術を、今いる業界だけでなく、別の成長市場で活かせないかを考える。会社は、社内にある技術、設備、特許、人材を、既存事業だけでなく、次の事業領域に展開できないかを考える。同じことです。

基本的な考え方は、何度もこのブログで述べたような新規事業と同じです。

強み技術 × 伸びる市場 = 新規事業の方向性

これは個人のキャリアにも当てはまります。

強み技術 × 伸びる市場 = 技術者としてのニーズ

同じ技術でも、縮小市場の中では価値が下がります。一方で、伸びる市場や深い顧客課題に結びつけば、価値は再び高まります。技術の価値は、技術そのものだけで決まるわけではありません。どの市場に置くか、どの課題に使うかによって変わるのです。

 

変化の激しい時代に生き残るためには、技術を守るだけでは不十分です。自分たちの技術を、新しい市場や用途に展開する力こそが、これからの製造業と技術者に必要になるのだと思います。

お困り事がありましたらいつでもご相談ください!

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