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ブログ更新 : AIに頼りすぎるな~最後に魂を入れるのは人間~
https://fujii-tech.com/diary/231471
AIに頼りすぎるな ~最後に魂を入れるのは人間~
新規事業創出でも、AIを使う場面はかなり増えています。
市場を調べる。
既存特許を分析する。
競合を整理する。
用途を広げて考える。
技術と市場の接点を探す。
こうした作業では、AIはとても便利です。
特に、自分たちがまだ知らない市場情報を調べるときには有効です。
昔であれば、展示会に行き、人に会い、資料を集め、かなりの時間を使って足で稼いでいた情報も、今は多くの企業がネット上に公開しています。
そのため、ネット上にある範囲であれば、AIがある程度拾ってきてくれます。
新規事業の最初の仮説づくりとして、AIを使うのはありだと思います。
ただし、AIに頼ってはいけない部分もあります。
自社技術の本当の強み。
自社しか知らない実験結果。
現場で感じた違和感。
失敗から得た知見。
顧客との会話で見えた本音。
こうしたものは、AIには出てきませんし、これを外すといい提案にはなりません。
AIは、なんとなくきれいな文章や、なんとなくかっこいい図を作ってくれます。
しかし、よく読むと中身と合っていないことがあります。
一見それらしく見えても、実際には使える案になっていないこともあります。
要するに、魂が入っていないのです!
新規事業支援の現場でも、きれいな絵や文章を作ってくる人にその中身を聞くと、ちゃんと答えられないことがあります。
これは、AIで形を整えただけで、自分たちの経験や考えが十分に入っていないからだと思います。
調査や整理はAIに任せてもいい。
でも、問いを立てること、判断すること、魂を入れることは、人間がやるべきです。
AIを使う時代だからこそ、最後は自分たちの経験で勝負することが大事だと思います。
AIを使いこなしながら、一緒に新規事業を生み出しましょう!
いつでもご連絡ください。
ブログ更新 : 失敗に見えるものは、成功までの途中経過である
https://fujii-tech.com/diary/230670
失敗に見えるものは、成功までの途中経過である
新規事業や技術開発では、最初から成功することはほとんどありません。
まず、「こんなニーズがあるのではないか」「この技術が使えるのではないか」と仮説を立てます。
次に、試作品やサンプルを作り、市場や顧客に評価してもらいます。
そして、うまくいかなければ修正して、また試します。
この繰り返しの先に、ようやく商品化があります。
外から見ると、この途中経過は「失敗」に見えることがあります。
評論家は、うまくいかなかった一瞬だけを見て、「ほら見ろ」と言うかもしれません。
しかし、実際の新規事業はそういうものです。
失敗したら終わりではなく、失敗から何を学び、次の仮説をどう変えるかが重要です。
成功までの道は、きれいな直線ではありません。
図の右側のように、何度も失敗を通りながら、それでも上に向かって続いている道です。
大事なのは、失敗しないことではありません。
市場の声を聞き、技術を見直し、また試すことです。
技術を事業に変えるには、研究開発だけでは足りません。
市場との対話を繰り返しながら、使われる形に近づけていく必要があります。
成功とは、失敗を避けた結果ではなく、失敗を通過してなお進み続けた結果だと思います。
新規事業を考えている人にとって、最初の失敗は避けられないものです。
むしろ、失敗が出てきたということは、市場に近づいている証拠でもあります。
技術を磨き、仮説を直し、顧客の声を聞きながら、少しずつ前に進む。
その積み重ねが、いつか事業になります。
新しいことに挑戦している皆さん、簡単ではありませんが、あきらめずに進んでいきましょう!!!
ブログ更新 : 黒字リストラの時代に、技術者と会社はどう生き残るか ~技術を新しい市場に展開する力が問われている~
https://fujii-tech.com/diary/category/1045779
最近、「黒字リストラ」という言葉を目にする機会が増えました。
赤字だから人を減らすのではなく、黒字であっても、将来の事業構造の変化を見越して人員を見直す。そんな動きが、大手企業でも広がっていますね。
製造業でも、希望退職や人員削減のニュースが相次いでいます。
・ジャパンディスプレイ:1,500人規模
・パナソニック:国内外で大規模削減
・日産:追加削減を含む大規模な再建策
・オリンパス:国内外で2,000人規模
・三菱電機:4,700人規模
・ブリヂストン:数百人規模
・マツダ:500人規模
もちろん、各社の事情は異なります。しかし共通しているのは、「大企業にいれば安心」「今の事業が続けば安心」とは言えなくなっています。
例えば製造業においては材料、部品、装置、プロセス、品質、評価、生産技術、どれもにとって重要な技術です。しかし、その技術が属している市場そのものが縮小すれば、専門性の価値も下がってしまい、リストラをせざるを得ない状況になります。
これは、技術力が低いからではありません。技術と市場の組み合わせが、時代と合わなくなっているということです。中の人の努力ではどうしょうもないことなのです。
この考え方については、以前の記事でも書きました。
技術・キャリアの「賞味期限」をどう延ばすか https://fujii-tech.com/diary/226911
これからの技術者に必要なのは、専門を深めることだけではありません。自分の技術を、どの市場でどのように活かすかを考える力です。
たとえば、同じ材料技術でも、既存市場では縮小していても、半導体、エネルギー、医療、ロボット、環境、宇宙、インフラ更新などの分野では、新しい価値を持つ可能性があります。つまり、技術者が生き残るためには、「自分は何ができるか」だけでなく、「それを誰が必要としているか」まで考える必要があるということです。
これは個人だけの問題ではありません。会社はとしては社内技術を次の事業に変える必要があるということです。企業の中にも、まだ使える技術、設備、特許、人材、過去の研究開発テーマが数多く眠っています。にもかかわらず、それらが既存事業の中だけで評価され、十分に活用されないままになっていることがあります。
黒字リストラの時代に本当に必要なのは、人を減らすことだけではなく、社内にある技術を、次の事業に結びつけることだと思います。
・技術を棚卸しし、要素技術や機能に分解する。
・それを伸びる市場や顧客課題と掛け合わせる。
・そこから、新しい用途や事業仮説を作る。
このプロセスによって、既存事業では活かしきれなかった技術が、新規事業の種になる可能性があります。生き残るための共通点は「技術を新しい市場に展開する力」ですね。
技術者は、自分の専門技術を、今いる業界だけでなく、別の成長市場で活かせないかを考える。会社は、社内にある技術、設備、特許、人材を、既存事業だけでなく、次の事業領域に展開できないかを考える。同じことです。
基本的な考え方は、何度もこのブログで述べたような新規事業と同じです。
強み技術 × 伸びる市場 = 新規事業の方向性
これは個人のキャリアにも当てはまります。
強み技術 × 伸びる市場 = 技術者としてのニーズ
同じ技術でも、縮小市場の中では価値が下がります。一方で、伸びる市場や深い顧客課題に結びつけば、価値は再び高まります。技術の価値は、技術そのものだけで決まるわけではありません。どの市場に置くか、どの課題に使うかによって変わるのです。
変化の激しい時代に生き残るためには、技術を守るだけでは不十分です。自分たちの技術を、新しい市場や用途に展開する力こそが、これからの製造業と技術者に必要になるのだと思います。
お困り事がありましたらいつでもご相談ください!
技術から新規事業を生み出す方法を、技術士向け研修会でお話しします
https://fujii-tech.com/diary/228076
このたび、日本技術士会 神奈川県支部の 「2026年度 技術士開業及び業務開拓のための研修会(実践コース)」 にて、技術士向け研修会で講演・演習を担当します。
なお、技術士向けのセミナーになっています。ご了承ください。
今回の研修会のテーマは、「新規事業創出」と「商品設計」です。
私は第1部で、「現場技術から新規事業を生む技術士の思考法」というテーマで講演します。
日時は、2026年5月16日(土)10:00〜16:55、会場は 産業貿易センター(横浜市中区山下町2番地) です。詳細は日本技術士会 神奈川県支部の案内ページをご覧ください。
製造業や素材・デバイス分野の企業には、優れた技術、設備、特許、人材、過去の研究開発テーマが数多く存在しています。しかし、それらがそのまま新規事業につながるとは限りません。私が新規事業創出で重視しているのは、次の考え方です。
強み技術 × 伸びる市場 = 新規事業の方向性
自社の技術を棚卸しし、要素技術や機能に分解する。
そのうえで、成長市場や顧客課題と掛け合わせ、事業化の仮説を作ります。
今回のセミナーでは、こうした考え方をもとに、技術を顧客価値に翻訳し、新規事業テーマへ育てる方法についてお話しします。さらに参加者には例題を解いてもらい実践的な力を受けてもらうことにしています。
私は現在、製造業・素材・デバイス分野を中心に、新規事業創出、技術マーケティング、研究開発テーマの具体化を支援しています。
社内に技術はあるが、新規事業につながっていない。
技術の活かし方を外部の視点で整理したい。
研究開発テーマを市場や顧客につなげたい。
このような課題をお持ちの企業の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
技術がわかる新規事業創出の伴走者として、事業化の初期段階からご支援いたします。
ブログ更新 : 技術とキャリアの「賞味期限」をどう延ばすか ~新規事業の法則で考える、技術者の生存戦略~
https://fujii-tech.com/diary/226911
技術とキャリアの「賞味期限」をどう延ばすか ~新規事業の法則で考える、技術者の生存戦略~
GWですね。今回は会社ではなく個人のキャリア開発に役に立つお話を書こうと思います。
まず一つ問いかけさせてください。
「あなたが今持っている専門技術は、5年後、10年後の市場でも、同じ価値を保てているでしょうか?」
技術の進歩が速い現代では、昨日までの「稼ぎ頭」だった技術が、競合他社の台頭や市場構造の変化によって、急速にコモディティ化してしまうことがあります。
たとえば、あるセラミックスの専門家が独立し、当初は順調に仕事を受注していたとします。
しかし、海外勢の技術力が向上し、国内企業が相次いで撤退。その結果、国内での仕事が激減しました。
サラリーマンでも同じで、セラミックス分野の専門として就職したのに、会社がその分野から撤退してしまい、社内失業してしまった。
これはあくまで一例ですが、多くの技術者が「今の専門分野は、いつまで続くのだろうか」という不安を抱えているのではないでしょうか。
こうした状況を打破するヒントは、新規事業開発の考え方と同じです。
新規事業の法則:成功は「掛け算」で決まる
新規事業を考える際、私は次のような方程式が重要だと考えています。
強み技術 × 伸びる市場 = 新規事業の方向性
どれほど高度な技術を持っていても、市場そのものが縮小していれば、事業としての成功確率は高くありません。逆に、自社の技術を「今まさに伸びている市場」に適用できれば、ビジネスは一気に加速する可能性があります。つまり、新規事業では、技術そのものの優劣だけでなく、その技術をどの市場にぶつけるかが重要になります。
キャリアにも同じ方程式が使える
この考え方は、個人のキャリア設計にも当てはまります。
強み技術・得意分野 × 伸びる市場 = キャリアとしての強いニーズ
もし、今の職域や市場でニーズが減っていると感じるなら、それは必ずしも技術力が落ちたからではありません。
むしろ、技術と市場の掛け合わせが、時代と合わなくなってきている可能性があります。そして伸びる市場は人が足りてないため、あなたの強みは必ず重宝されます。それはお金にも直接つながるかもしれません。キャリアを行き詰まらせないためには、既存の業界や職域の中で踏ん張るだけでなく、「自分の居場所」を再定義する必要があります。
強みを分解し、適用領域を広げる
では、どうすればよいのでしょうか。
まずは、自分の専門性を特定の業界用語から切り離し、要素技術や機能にまで分解してみることです。
たとえば、「セラミックスの専門家」ではなく、次のように捉え直します。
・材料設計技術
・精密な組織制御
・特定の製造技術、評価技術
・量産設計や品質保証
・特定分野の市場についての知見
このように分解すると、自分の技術が特定業界だけに閉じたものではなく、他の成長分野にも応用できる可能性が見えてきます。
次に、分解した強みが、伸びる市場のどこにフィットするかを考えます。半導体、次世代エネルギー、宇宙産業、医療機器、ロボット、DX化が進む製造現場など、技術を必要としている市場は数多くあります。
重要なのは、自分の技術を「今までの業界のための技術」として見るのではなく、別の課題を解くための道具として捉え直すことです。
次のアクションにつなげる
強みと市場の接点が見えてきたら、次は具体的な行動に移します。
たとえば、成長産業の企業へ転職する。
専門性の高いコンサルタントとして独立する。
現在の組織の中で、新しい業界への展開を提案する。
あるいは、副業、共同研究、外部連携を通じて、小さく市場との接点を作る。
キャリアの再定義は、必ずしも大きな転身を意味するわけではありません。
まずは、自分の技術がどの市場で評価されるかを試すことが重要です。
キャリア開発は「自分という名の新規事業」である
新規事業では、市場の変化に合わせて、技術の適用先を変えていきます。
技術者のキャリアも同じです。
時代のニーズに合わせて、自分の強みをどの市場に適用するかを考え続ける必要があります。
「一つの分野を極める」ことは素晴らしいことです。
しかし、それと同じくらい、自分の強みをどの市場で活かすべきかを考える視点も重要です。
技術の賞味期限は、市場によって短くも長くもなります。
だからこそ、技術者は「今の専門を守る」だけでなく、その専門をどこで活かすかを考え続ける必要があります。
変化の激しい時代にプロフェッショナルとして生き残るためには、技術力に加えて、自分の市場を選び直す力が不可欠です!
自身の将来を見据えて考えてみてはどうでしょうか?

