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社内の「ホントか?」を黙らせる、唯一無二の解決策とは?

 

3/21のブログ「自主研究(闇研究)を実用化する方法:研究開発で成果を出す5つのポイント」について多くの反響をいただきました。

https://fujii-tech.com/diary/221679

今回は、その中でも「最も重要なことは何か?」について深掘りしたいと思います。

結論から申し上げます。

それは闇研究であっても、正式なプロジェクトであっても変わりません。

「顧客を見つけ、ファンにすること」。これに尽きます。

 

 「社内の声」と「顧客の声」の決定的な違い 

研究開発の現場では、上層部から幾度となくこんな質問を投げかけられます。

    「その性能は、本当に実現できるのか?」

    「コスト競争力は本当にあるのか?」

    「他社には真似できない、オンリーワンの技術なのか?」

これらの問い(ホントか?)に対し、社内向けの資料であれば、見せ方次第でいくらでも「取り繕う」ことができてしまいます。しかし、顧客からの評価には「第三者の厳しい目」と「ビジネスの利害関係」が伴います。 嘘やごまかしが一切通用しないからこそ、そこには絶対的な信頼が宿るのです。

 

顧客がファンになれば、会社はプロジェクトを潰せない

私が以前開発したあるデバイスの事例をお話しします。

そのデバイスは圧倒的な性能を誇っていましたが、実は「水に弱い(耐水性が低い)」という、品質保証項目をクリアできない致命的な弱点がありました。

普通なら、この段階で開発中止です。しかし、試作段階でその性能に惚れ込んでくれた顧客は、こう言ってくれました。

「耐水性の問題はこちらでカバーする。構造工夫で回避するから、とにかくその性能を活かして実用化したい」 

顧客が「どうしても欲しい」と言っているテーマを、会社がみすみす潰すわけにはいきません。顧客の熱狂が伝わった瞬間、それまで「闇研究」だったプロジェクトには、会社からの正式なバックアップという強力な追い風が吹き始めました。

 

サンプルができたなら、今すぐ外へ出よう

もし貴方の技術が優れているのなら、必ずファンになってくれる顧客は存在します。

完璧な製品を待つ必要はありません。サンプルができた段階で、まずは顧客のもとへ足を運びましょう!

社内の「ホントか?」という疑念を、顧客の「いつから使える?」という期待に変えていくこと。

これこそが、闇研究を「日の当たる場所」へ導く、最短にして唯一の道だと思います。

 

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https://fujii-tech.com/diary/222562

予算ゼロからの突破口。外部機関を「第二のラボ」にする方法

はじめに 

前回、「自主研究(闇研究)」を実用化するポイントについてお話ししました。しかし、ここで必ずぶつかる壁があります。

それは、「予算(カネ)と設備がない」という現実です。

会社に認められていないテーマであれば、当然、高価な実験装置を買ってもらうことは不可能です。では、どうすればいいのか? 答えはシンプルで「外の力」を利用するです。要は中ではなく外です!

 

部長に却下されてからが、本当のスタート

私自身の事例をお話しします。 かつて無機位相差板の自主研究を始めた際、私はまず上司に「小型の製造装置を購入したい」と相談しました。しかし、返ってきた答えは予想通りの「却下」。実績も予算もない段階では、当然の反応です。

そこで私は、視点を社外に向けました。調査の結果、ある県の工業試験場(公的試験研究機関)に、私のアイデアを形にできる装置があることを突き止めたのです。

 

公的機関は技術者の「最強の味方」

実際に足を運んでみると、そこには経験豊富な専門の研究員の方がいらっしゃいました。こちらのアイデアと実験条件を正直に伝えたところ、快く協力していただけることになったのです。

公的機関を活用するメリットは、主に3つあります。

1.格安の利用料: 国や自治体の施設は、民間の委託試験に比べて驚くほど低コストで利用できます。私の場合は、部長を粘り強く説得し、2年間で計70万円ほどの予算をなんとか確保して検証を進めました。

2.専門家の知見: 装置を借りるだけでなく、研究員の方との議論を通じて、自分一人では気づけなかった知見が得られることもあります。

3.Win-Winの関係: 公的機関側にとっても、企業との連携実績や実用化への貢献は重要な評価指標になります。こちらが本気であればあるほど、彼らも熱心に応えてくれます。

結果として、この外部連携による実験は非常にうまく行き、実用化への大きな足がかりとなりました。

 

大学やプラットフォームの活用

この「外部ハック」は、工業試験場に限りません。大学の研究室も有力な候補です。先生を説得して共同研究のスキームに乗せる必要はありますが、より深い理論的裏付けが得られる可能性があります。また、最近は設備の共用化が進んでおり、以下のようなプラットフォームで全国の高度な装置を探すことができます。

ナノテクノロジープラットフォーム(Nanonet

高度な計測・加工装置を全国どこからでも利用できる仕組みです。

東北大学 共用設備(MU-SIC

材料・デバイス系の方には非常におすすめの環境です。

 

まとめ:予算や設備がないなら、探しに行こう 

今の時代、自社に予算がないことは、研究を諦める理由にはなりません。

「社内でダメなら、外でやる」 このくらいの図々しさと行動力が、新しい事業の芽を育てるのだと私は確信しています。ぜひ一度、近くの公的機関を覗いてみてください。

 

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自主研究(闇研究)を実用化する

皆さんの会社では、「闇研究(自主研究)」は認められているでしょうか。
企業の研究開発において、公式テーマ以外の自主研究からイノベーションが生まれるケースは少なくありません。
 

私の前職では明確な制度はありませんでしたが、※3Mの「15%ルール」のように、個人の裁量で研究テーマに取り組む文化がありました。

 

自主研究から実用化までのプロセス(実例) 

私は2005年頃から2008年頃にかけて、液晶プロジェクタ用の無機位相差板を自主研究として開発し、最終的に実用化しました。

プロセスは以下の通りです。

・門からの相談をきっかけにテーマ設定
 社内で対応できない課題を引き受ける
・自の材料・プロセスを提案
・去検討のヒアリング
 「実用化は困難」との評価
 実験条件と材料に改善余地ありと判断
・期検証と同時に特許出願(知財戦略)
・算がない中で外部機関を活用
 2年間で70万円程度で検証
 低コストでのラピッドプロトタイピング
・業開発部と連携し顧客開拓
・顧客先でコントラスト数倍向上という成果
・耐久性課題は顧客側が許容し採用決定
・社内に受け皿がないため子会社で量産化 

 

自主研究を実用化するための5つのポイント 

研究開発の成功事例として、重要なポイントは以下です。

・アイデアを出す(テーマ設定力)
・低コストで検証する(ラピッドプロトタイプ)
・特許を出願する(知財戦略)
・顧客の声を直接聞く(市場適合性)
・顧客が欲しいと言う状態を作る(事業化の鍵) 

特に、顧客ニーズと知財の両輪が揃うと、社内プロジェクトは止まりにくくなります。  

技術者のキャリアとしての自主研究自主研究は単なる「余暇の研究」ではありません。
研究開発における新規テーマ創出力・事業化力を高める実践的なトレーニングです。むしろ、公式テーマだけでは得られない経験が蓄積されます。

 

まとめ : まずはアイデアと特許から始める

 闇研究でも自主研究でも構いません。
重要なのは、アイデアを形にし、特許として押さえることです。そこから研究開発のストーリーは動き始めます。若い技術者・研究者の方は、ぜひ一度挑戦してみてください。

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※3M15%ルールとは

勤務時間の約15%を本業以外の研究やプロジェクトに活用できる文化(不文律)。
社員の自由な発想を促進し、「ポスト・イット」などの革新的製品を生み出してきたことで知られています。

 

https://fujii-tech.com/diary/220782

 

3月上旬に、新規事業創出研修の発表会がありました。
半年弱のお付き合いでしたが、今回も良い形で終えることができました。
この研修も4年目になります。

毎年、参加メンバーは異なります。それでも年々、発表の中身や議論の深さが少しずつ前に進んでいるように感じます。理由をはっきり言い切ることはできませんが、組織全体に「新しいことをやってみよう」という空気が少しずつ広がってきているのかもしれません。新規事業は、制度や研修だけで生まれるものではなく、こうした日々の雰囲気にも大きく左右されると改めて感じました。

特に印象的だったのは、発表会直前の参加者の動きです。資料の確認依頼や質問が次々に届き、少しでも良い提案に仕上げたいという思いが強く伝わってきました。言われたからやるのではなく、自分の提案として形にしたい。その熱量があると、発表内容も議論も一段深くなります。

新規事業の進め方に正解はありません。書籍もフレームワークも数多くあります。その中で、私が大事にしているのは、製造業の現場から「自分事」として提案することです。

自分事のテーマは、本人が本気で考えます。面白いと思えるから深く掘り下げられるし、途中で壁にぶつかっても簡単には止まりません。新規事業は、最初からきれいに進むことの方がむしろ少ないものです。だからこそ、最後に効いてくるのは「自分がやりたいと思っているかどうか」だと思います。逆に、他人事のテーマは、どこかで「言われたから」という発想になりやすく、粘り強さが続きにくいように感じます。

今回の研修は、希望者を募って実施されたと聞きました。これは新規事業研修として、とても良いやり方だと思います。自ら手を挙げた人は、やはり主体的です。自分で考え、自分で悩み、自分の言葉で提案しようとします。強制参加の形では、「これは自分の仕事なのか」という空気が出やすくなりますが、希望制であれば最初から前向きな姿勢で取り組みやすくなります。

また、良いテーマであれば社内で育てる、既存事業と合わなければ別の形も柔軟に考える、という姿勢も非常に印象的でした。制限をかけすぎず、組織をうまく活用しながら、組織にも個人にも成長をもたらしていく。こうした考え方がある場では、新しい芽は育ちやすいと感じます。

製造業の新規事業は、単にアイデアを出せばよいわけではありません。現場の実感があり、本人の思いがあり、それを受け止める組織の姿勢があって初めて動き出します。今回の発表会では、その大切さを改めて実感しました。

今年も多くの刺激をいただきました。これから新規事業がどんどん生まれてくること期待しています!

 

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技術者のキャリア戦略をSWOT分析で考える

 

https://fujii-tech.com/diary/219919


SWOT分析というと、新規事業や経営戦略で使うものと思われがちです。
しかし本質は、強み・弱み・機会・脅威を整理し、「だからどうするか」を考えることにあります。
この考え方は、技術者のキャリア戦略にも使えます。

以前のブログ:https://fujii-tech.com/diary/217029

私は研修で、SWOT分析に馴染んでもらうために、自身のキャリアを例に説明することがあります。
これが意外と有効です。
キャリアを考えることも、自分自身の新規事業を考えることに近いからです。
意外とウケがいいです!

この考え方は、就活、社内でのポジショニング、転職、シニア層の独立にも応用できます。

たとえば40代の企業内技術者。
専門経験があり、現場も分かる。
一方で、AIや海外勢、事業構造の変化など、外部環境は大きく変わっています。

このとき迷うのが、
「管理職に行くべきか」
「専門を深掘りすべきか」
「営業や事業開発に広げるべきか」
「転職も視野に入れるべきか」
という話です。

少しありきたりな話ですが、自身でやる時はより項目を増やすといいと思います。

ここでSWOT分析が役に立ちます。
強みは専門技術や現場力、弱みは言語化や社外認知の不足。
機会は技術者不足や新規事業需要、脅威は専門の陳腐化やAI代替です。

ただし、SWOTは書いて終わりでは意味がありません。
大事なのは、クロスSWOTで「じゃあどうするか?」と考えて意思決定まで行うことです。

強み×機会なら、専門性を活かして社外連携や技術コンサルに広げる。
強み×脅威なら、統合判断や現場対応力を磨く。
弱み×機会なら、発信や言語化を鍛える。
弱み×脅威なら、専門一本に依存せず隣接分野にも広げる。

SWOT分析をして、自分の強みをどう使うか、どうすれば価値が上がるか?、人生楽しくなるか?を考えることで次の一手が見えてくると思います。

新規事業を考える人も、進路に悩む技術者も、一度自分自身をSWOTで整理してみるとよいと思います。
新規事業でもキャリアでも、本質は同じです。
是非試してね!

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