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コンサルティングでよく聞かれる質問があります。

「新規テーマって、売上いくら見込めたら成立しますか?」 

結論から言うと、正しい答えはありません。
そして、最初から売上の正解を決めに行くほど、新規事業は外れやすくなります。 

 

100億円ないと意味がない」時代は、確かにあった 

一昔前、大企業では
「新規事業は年商100億円規模が見えないとやる意味がない」
と言われていました。

例えば、銀塩写真で大きく儲けていた頃の富士フイルムのように、巨大な利益源がある時代では、売上の小さい事業は手間の割にメリットが薄い。
これは当時としては、合理的な判断でした。
 

 

でも今、最初から100億円が見える商品はほぼ無い

今の時代、最初から年商100億円が見える新規商品はほとんどありません。
市場は細分化され、ニーズも変化が速く、不確実性が高い。
 

つまり、

徹底調査 

完璧な企画書

確実な実行 

という一直線のやり方(図の左側)は、現実ではあまり機能しません。 

 

私の答え:まず年商1億円で十分 

質問への私の答えは、

「年商1億円あれば十分」
むしろ高いくらいだと思っています。

大切なのは金額そのものではなく、 市場は出してみないと分からない、だから小さく出して、早く確かめるという考え方です。

 

金額より「価値」を見る 

売上議論がズレる原因は、「市場規模」や「金額」を先に見てしまうことです。

本当に重要なのは、 誰の困りごとをどれだけ強く解決できるか、他と何が決定的に違うか、価値が強ければ、市場は後から広がります。
価値が弱ければ、どれだけ調査しても売れません。
 

 

いま時代は「仮説試作評価修正」

現実の新規事業は、多くがこの流れです。

ニーズと技術の仮説を立てる 

サンプルを作る

市場で評価する 

修正する(繰り返す)

商品化へ

会議で正しさを決めるのではなく、市場に聞いて決める。
この方が、結果的に早く確度も上がります。 
 

 

売上目標は後からついてくる 

まとめです。

今は最初から大きな売上を見通せる時代ではない 。「いくら売れるか」より「価値が強いか」を見る。最初は小さく検証し、修正しながら育てる。

新規事業は、完璧な企画書で当てに行くものではなく、仮説と試作で育てていくもの。

 

これが、現場で見てきた実感です。 

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徹底的に調査しても「新規事業」は生まれにくい

「新規事業が出てこないのは、調査が足りないからだ」
コンサルティングの現場では、こうした前提に立った相談をよく受けます。

  • 「調査のやり方を教えてください」
  • 「調査する人のレベルが足りないんですよね」
  • 「調査が足りていないので、効率よく調べる方法はありませんか?」

言葉としては穏やかですが、雰囲気としては「テーマがうまくいかないのは、調査が甘いからだ」という前提に立っていることがほとんどです。しかし私は、ここに大きな落とし穴があると感じています。

 

単なる調査をどれだけ積み重ねても、新規事業のネタはほとんど出てこない

仮に世界中の論文、特許、競合製品、市場レポートを徹底的に調べたとしても、そこから出てくるのはせいぜい、

  • 既存技術の組み合わせ
  • 他社の後追い
  • 「どこかで見たことがある」アイデア

であることが大半です。もちろん、こうした情報から事業ネタにつながることもあります。ただしその場合、自社の独自性や差別性が弱いテーマになりがちです。これは「調査」が悪いのではありません。調査という行為の性質上、 過去〜現在のデータの積み上げです。新規事業、とくに本当に意味のあるテーマは、データの積み上げだけでなく、そこにさらに 洞察や直感(センス) が加わって生まれることが圧倒的に多いのです。 

 

新しいアイデアは「直感」から始まる 

少し古い例ですが、ソニーのウォークマンは非常に象徴的です。

「音楽を聴きながら歩きたい」 

この発想は、市場調査から導かれた答えではありません。当時アンケートを取れば、「音楽は家で聴くもの」という回答が大半だったはずです。

また iPod についても、「既存製品のUIがダメだから、自分が本当に欲しいものを作らせた」とスティーブ・ジョブズが語ったと言われています。 

これらは、どんな調査をしても、どんなフレームワークを使ってもそのままの形では出てこない答えです。

 

調査は不要? 

誤解してほしくないのは、「調査は不要だ」と言いたいわけではありません。
重要なのは 順番 です。

私が推奨しているのは、以下の流れです。 

  1. まず、自社の強み・特徴・クセを徹底的に理解する
  2. 調査(ただし観点を絞る)
    • その強みが「生きる場面/市場」がないか探す
    • その強みを「伸びている市場」に転用できないか考える
    • 古い技術でも、IT進化やデバイス進化と組み合わせて復活できないか検討する
  3. 調査で出てきた仮説を確認・修正する

このプロセスで重要なのは、の調査で「世界中を徹底的に調べる」必要はない、ということです。
リソースは有限ですし、情報を集めるだけでは最後の一歩が出ません。
 

必要なのは、最後は結局、遂行する人の洞察と直感です。
直感や洞察は曖昧に見えますが、そこにはその人の経験知(暗黙知)が詰まっています。

 

コンサルティングの最初で行うこと 

私が新規事業のコンサルティングで最初にお願いするのは、徹底的な「調査」ではありません。まずは 自社の技術的な強みの棚卸しと、伸びる市場の調査/分析です。

イノベーションは「新結合」です。 

強み技術 × 伸びる市場強みが生きる伸びる市場のテーマ

これは単に情報を集める作業というよりも、
「自社の強みが市場にどう導入され、どう価値になるか」
を具体的に想像しながら世界を見る作業に近いと思っています。
 

 

結論:テーマ選定で本当に大事なこと

テーマ選定の失敗は、「調査が足りなかったから」ではないことがほとんどです。
単なる調査では、新しいテーマは生まれません。重要なのは、自社の強みを理解すること、市場(特に伸びる市場)を認識すること、そして、洞察と直感で結合させることです。
 

調査は答えを出すためではなく、仮説を磨くために使う。
ここを押さえるだけで、テーマ選定は大きく変わります。

是非!

 

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研究開発が失敗する理由は、「技術が難しいから…」と思われがちです。
でも現場で見えてくるのは逆で、失敗の多くは「テーマの選び方」でほぼ決まっています。

これまで多くの企業でコンサルティングをさせていただいた私の体感(あくまで個人的意見です)では、失敗の約7割がテーマ選定ミスです。
ダメなテーマは、優秀な人が頑張ってもダメ。エースを投入しても、なかなか状況は変わりません。

この記事では、よくある失敗パターンと、開始前に見抜くためのポイントを整理します。


1. 失敗の内訳(体感)

あくまで私の主観ですが、コンサルや現場支援で見える失敗要因は、ざっくり次の割合です。

テーマ選定のミス:70%
 ・顧客ニーズとの乖離
 ・研究者の自己満足テーマ
 ・流行りテーマの後追い
 ・社内受けだけで決まったテーマ
技術的に達成困難:10%
 ・これは“仕方ない”領域もある(ただし見積り精度で減る)
市場縮小・タイミングが悪い:10%
 ・顧客環境が変わって需要が消える
 ・早すぎて市場が追いつかない(研究所発あるある)
組織的要因:7%
 ・意思決定の質(レビュー不全、責任の所在不明、政治)
成功:3%
 当たり前だけど、成功は少数派

ポイントはここです。
技術が難しくて失敗するのは、全体から見れば“少数派”。
多くは、技術に入る前に勝負が決まっています。

 


2. 「ダメテーマ」の典型パターン3つ

ここが一番多い。特に大企業の研究所や大企業のR&Dで頻出です。
(大企業でなくても、いわゆる「大企業病」になっている会社は同様かもしれません。)

 


パターンA:「少しの性能UP」

一見まともに見えます。でも実装まで考えると、地雷率が高いです。その性能UPを量産まで持っていくと、ばらつき・歩留まり・信頼性の問題で崩れる場合があります。また、新しいモノやプロセスに対して顧客側は、評価・認証・工程変更が必要になります。つまり導入コストが高い。これは「スイッチングコスト」と呼ばれるもので、その負担が“ちょっとした性能UP”のメリットを打ち消してしまうことが多いです。

結局、顧客側の判断はこうなりがちです。

「今のままで困ってないなら、ちょっとの性能UPは不要だよね」

 


パターンB:「少しのコストダウン」 

これも同じ構造で失敗します。顧客にとっては、コストダウン以上の“スイッチングコスト”が発生します。
現場は保守的になりやすいので、少額のメリットでは動きません。

 「少し安い」は、最も苦しい戦いになりやすい。
ただし、大幅なコストダウンであれば、スイッチングコストを考慮しても導入メリットが出る可能性はあります。


パターンC:「自社都合の部材改良」

「うちが得意な材料を改良したので、採用してほしい」系のテーマです。自社都合が先に立つと、顧客の工程・管理・使い勝手が無視されやすい。

もちろん、顧客のKPI(歩留まり、納期、品質保証、調達安定)につながり、メリットが明確なら採用の理由になります。
しかし、それが弱いと「導入する理由」がありません。


3. 結論:一番重要なのは「顧客メリット」

当たり前の話ですが、最重要の視点は「顧客メリット」です。

私はコンサルティングの現場ではこの部分に着目し、
ペインニーズの見つけ方、顧客課題の発見方法を重点的にお伝えしています。

新規事業の立ち上げは簡単ではありません。
だからこそ、価値があるものだと思います。

研究開発の努力の前に、戦う場所を決める。ここが一番重要です。

一緒に考えてみませんか?

 

12/2 の午後からILSにてピッチを行います。
ご興味がありましたらWebにて参加をお願い致します。
https://ils.tokyo/
最近の結果として非常に結晶性の高い膜が低い基板温度で得られています。
出資及び共同開発してくれる企業様を募集しております。
よろしくお願いいたします。

さて、
新規事業のコンサルをやっている中で他社に偉そうに語っているので自分でもやらないとなぁと思って始めたテーマです。その意味ではコンサルタントとしては超優秀なのだと思います(笑)。さらに学んだステップを企業様の新規事業創出のアドバイスに活かすことができればと思っています。

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素材系BtoBの新規事業創出について考える

最近、化学メーカーさまから新規事業創出に関するご相談をいただく機会が増えてきました。複数の企業から伺うのは、「デザイン思考」や「最終顧客のニーズ」を起点に新規事業を進めようとする取り組みが増えているということです。デザイン思考には多くのメリットがありますし、最終顧客を起点に発想する姿勢も非常に重要です。ただし、素材系BtoBの領域では、業界構造の特性から“適用のしかたに工夫が必要”だと感じることが多いのも事実です。


素材の世界では、最終ユーザーに届くまでに複数のメーカーや加工プロセスが介在します。また、素材は機能・性能で付加価値を出す領域であるため、素材研究者が最終顧客の利用シーンを詳細に想像することは簡単ではありません。例えばPET樹脂を開発している研究者が、最終製品のユーザーマインドを深く理解するのは難しく、時間がかかります。また、考えることができたとしても自社の課題に落ちてこない場合が多いです。


私は、素材系BtoBでは「技術の構造化 × 成長市場探索」の組み合わせが、比較的再現性が高いと考えています。

例えばPET樹脂を開発している会社において、

・PET樹脂の特性・構造・製造工程を整理し、強みを明確化する
・その強みが活かせる可能性のある市場・用途を横断的に探索する
・既存材料の代替シナリオを検討し、技術的に成立するかを見極める
・関連特許・論文を調査し、実現可能性やホワイトスペースを検証する

といった流れで進めています。

素材領域ならではの強みにフィットした方法論として機能するものです。


過去には、衣料用途で使われていた素材を詳細に分析し、特許を数千件調べた結果、構造を少し改良することで半導体プロセスに適用する材料として価値を出せることが分かった事例があります。これは、素材特有の構造・機能に目を向けたからこそ生まれた発見でした。


デザイン思考を否定したいわけではありません。
むしろ、うまく組み合わせれば非常に有効です。

ただし、素材BtoBでは、

・技術の深い理解
・産業全体の構造把握
・特許・論文からの裏付け
・成長市場との適合性

といった“地に足の着いた探索”が成果を出す鍵になることが多いと感じています。


・素材BtoBでは、最終顧客が遠いため適用には工夫が必要
・技術の構造化 × 市場探索 × 特許分析が相性の良いアプローチ
・素材固有の強みを活かす手法が大切
・実例として、衣料素材を半導体用途に転用したケースもあり

素材系の新規事業でお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!

 

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