日々の気づき/ブログ
今後のMEMS市場は?
EETimesの記事によると今後とも伸びていきそうです。
記事内の図より
「MEMSデバイスは、高周波デバイスなどの他、プリンターのインクジェットノズルや自動車のエアバッグ、スマートフォンやゲーム機などに用いる加速度センサーなど、その用途は幅広い。このため、今後の市場予測においても、2020年から2025年までのCAGR(年平均成長率)は10.2%となり、2025年には2兆360億円の規模に拡大すると予測した。このうち、国内市場は2620億円と見ている。」
市場としては、自動車分野(自動運転、安全性、ドライバ支援、電気自動車関連)、医療分野(センシング、監視、みまもり、診断アシスト)など、電子製品(スマホへの新価値、ウエアラブル等)、製造業(センシング、制御、監視)、航空宇宙(センシング、高度な制御等)への需要が伸びていくと思われます。私の専門分野の圧電MEMSも用途はたくさんあるためまだまだ伸びると考えています。
ただし大手メーカーがかなりの部分を抑えていますから、これから参入しようとする企業さんは、用途へのカスタマイズと機能による差別化が必要になると思います。
汎用的なMEMS大手メーカーに任せて、これから参入する企業、中堅規模の企業はカスタマイズして性能を特化させることで、市場が開けると考えます。
市場調査とどこを目指すかというのは、新規事業の考え方そのものです。どう特化させて、どこの市場を狙うかはしっかり考える必要がありそうです。
伸びる市場に強みのあるデバイスを開発して市場投入して、さらに伸ばして行きたいですね。
個別のデバイスの設計、プロセスのアドバイス、試作のサポートもやっております。それぞれ失敗しないための勘所があります。気軽にご相談ください。
イノベーションにて新事業を作るシンプルなやり方
最近では、イノベーションという言葉を様々な場面で聞くようになりました。多くの人がイノベーションについて語っていますが、この言葉の定義としては、シュンペーター氏が最初に提唱した「経済活動の中で、生産手段や資源、労働力などを、それまでとは異なる方法で新たな形態に結合すること」があります。
簡単に言うと、イノベーションとは「新しい結合」のことであり、既存の資源や技術を組み合わせて新しい製品やサービスを生み出すことです。この手法は、新規事業の創出に有効であり、既存のものを組み合わせることで新たな価値を生み出すことができます。
イノベーション≒新結合
具体的な例を挙げると、消しゴム付き鉛筆(消しゴムと鉛筆の組み合わせ)、インターネットと音楽(ストリーミングによる音楽配信)、回転寿司(お寿司とコンベアによる利便性)、ナビゲーション(地図とコンピューター・GPS)などが挙げられます。スマホは、複数の機能が組み合わさった非常に便利なものであると言えます。
また、新規事業においても、富士フイルムの例のように、銀塩写真技術を利用して化粧品ビジネスに進出するなど、既存の技術を異なるビジネス分野に適応することも新しい結合の一つであります。このような新しい結合の考え方は、新規事業の創出において有用であると考えられます。
コンサルティングの現場では、強みと伸びる市場を組み合わせて新しいビジネスを考えることが一般的です。ぜひ、新しい結合を意識して、新規事業を考えてみてください。
経営者の考える失敗しない新規事業
経営者は、できるだけ短期間に、少ない投資で、大きな利益を得るような新規テーマを期待しています。
実際の所、そのようなテーマはなかなかありません。未来や市場の予測が完全ではないこと、誰もがやっていない技術開発は予測不能な項目も含まれ必ず成功するとは限りません。
そのため、経営者が期待しているように一発で成功するような新規事業開発はなかなか難しいです。
これまでの自身の経験や、たくさんの新規事業開発を見てきた感じとしては、小さくスタートさせて、失敗しながらも修正し、その失敗から知見を得ながら成功へ進む場合が多いと思います。
すなわち、成功 or 失敗 のゼロイチではなく、失敗から学び、その失敗の延長線上に成功があるようなイメージです。
図のようなイメージとなります。
新規事業を企画する部門は経営者から厳しいプレッシャーを受けて、必ず成功しかつ大きな新規事業を企画しようとしています。
しかし、そうではなく小さくスタートさせて、修正しながら(ときには失敗しながら)、育てていくような新規事業の方が成功の確率が高いと思います。
経営者を上手く説得して小さく早く進めるような企画を立案することをおすすめします。
経営者にそのような進め方の理解がなく、困っているという相談もたまにあります。そのような時は、うまく事例を説明して説得することがいいかなと思います。
私のような外部のコンサルを上手く利用して説得していくのも一つの手だと思います。
上司からダメだしを受けにくい新規テーマ提案
新規事業のWebセミナーにて社内で提案する際に、以下のような質問がありました。
「新規提案の際に上司に否定され内容にするにはどうしたらいいですか?」
提案の中身の本質的なところが最も重要なのですが、それでも反対されたり否定されたりする場合があります。その際に以下のような観点で再度資料を見直してみると良いと思います。
さて、提案には以下のポイントが入っていると良いと思います。
①会社の方針に合わせた内容
経営方針や中期経営計画などの会社の大きな方針に適していることを伝える。
提案前に自社の経営方針等を読み直して、キーワードになる言葉などを提案に入れてみてはどうでしょうか。
そして、この提案は経営方針に沿って、会社の未来を明るいものとするのですよということをしっかり伝えます。
②自社の強みが活かされていることを強調する
自社の強みが使えるということは、これまで強みを作ってきた上司、役員等々にとっては嬉しいことです。会社の先輩達が作った強み(伝統)をさらに発展させるということを述べます。反対している上司も自身が作った/携わってきたものであれば否定しにくいはずです。
③外圧を利用する
社外の人/市場の意見を入れること。有名な人などの意見などで権威付けするのもよい。
できるだけ波風立てないようにスマートに提案は通したいものですね。
なお、提案書の書き方の一つの例は書籍「技術者の逆襲」に書いてあります。ぜひ参考にしてください。
新規事業創出の具体的な事例
年に何回かセミナーを依頼にてやらせていただいています。最近はセミナー会社様以外に特定の企業様の内部でセミナーをさせていただくこともあります。その際に、「具体的な事例が多くわかりやすかった」とのコメントを頂くことがあります。
書店に行けばMBAの本や新規事業創出関連の本はたくさんありますが、概念が多く事例が少ない気がします。確かに私のように若い頃からR&Dから新規事業の創出ばかりを最前線の現場でやってきた人は少ない気がします。また諸先輩方から直に成功例を聞いてきた経験も大きいです。
講演でお話させてもらっている事例として以下のようなものがあります。
・富士フイルムでの銀塩写真から化粧品への考え方
・銀塩写真消失危機に対しての現場の動き/新規事業創出した人の考え
・セラミックス研究者が強みを生かして、食品事業へ展開した事例
・バックキャストによる新規事業創出の具体的なやり方
・知財を検索して見出す新規事業の例
・バリューチェーンから考える顧客ニーズの事例
・強み技術を活かして新規事業展開している会社の考え方
これらの事例と普遍的な成功のための考え方を交えて、腑に落ちるようなお話をさせていただいています。また、お話できないので残念なのですがコンサルティング先では新規事業がいくつか生まれており、それなりに効果があると思っています。
機会がありましたら一緒に新しい事業を生み出しましょう!