日々の気づき/ブログ
新規事業を考える視点2
新規事業を考えるときに絶対的に必要な視点は、「時間」です。
これから研究や開発をスタートさせて、ビジネスになるのは早くて1年後でしょう。普通の研究だと5年ぐらいかかると思います。未来のことはわからないのですが、科学技術やビジネス分野はある程度は予想できます。予想を含めてこれからどんな社会になるので、今のうちに開発に着手しましょうという考えです。
今ある現状の課題に対してスピードを早めて解決するというのは必要なことなのですが、それだけだと現場は疲弊しますし、対応仕事だけだとジリ貧になります。
数年後の社会を考えて、しっかりとその未来の社会に適したビジネスを提供するというのがいいと思います。そのためには時間をしっかりと意識することが大切だと思います。
未来がどうなるのかはわかりませんが、5年後の未来であればすでに予測されていることもありますし、変化の兆しが現れていることもあります。それをうまくキャッチして新規事業のネタにする必要があります。そこに自社の強みが加わればいい新規事業になると思います。
新規事業創出のセミナーやコンサルティングでは、目指す業界の未来をどうやって予想するかということを実例を交えてやっています。
自身の事業分野がどんな未来になるか考えて見ましょう。
ワクワクしませんか?
新規事業を考える視点 その1
新規事業を考える視点1
最近、MEMS関連の仕事よりも新規事業創出のお手伝いの仕事が多くなっています。ありがたいことです。
さて、製造業で新規事業を考える場合には、いつも自社の強みからスタートするように言っています。
簡単に言うと、
(強み)☓(社会潮流)→(新規事業のテーマ)
という流れで考えましょうということです。これができて、ハマると有力な新規事業のテーマになります。しかしながらそこから先に進むためにはさらに必要な視点が2つあります。その視点をしっかり考えておくことで、失敗する確率が少なくなるように思います。
それは、製造やバリューチェーンの視点です。
せっかく強い技術/優れた技術でもその技術を使ってモノができなければ商品化しません。製造適性や、後工程での使い方まで考慮しておかないと、使えないものになります。さらにコストの高い技術であればそれを上回るメリットがあるかまで考える必要があります。逆にお客様(後工程)が使いたいものであれば喜んで使ってくれます。私の経験ではどうしても使いたい素材なので、お客様が仕様を変えてくれるということもありました。
一方で注意しないといけない点として、新しいことを考えているのに、「作ったことがないから」、「やったことがないから」、「売ったことがないから」という声が工場サイドや営業などから聞こえてくることがあります。そのような声が強いと頓挫してしまいます。しっかりとマネジメントしてコントロールする必要があります。場合によっては新規事業はCVCなどを利用し外部で進めた方がいいということもあります。
話を戻しますと、新規事業を考える場合にはしっかりと後工程のイメージまで考えてテーマ出しをすると良いということです。テーマ出しするときに抜け漏れがないようにチェックシートなどを準備しておくのも一つの手です。最近はゲートシステムにてチェックするようにしているところが多いかと思います。私もコンサルティングのときに、チェックするようにしています。
さらに重要な視点があります。それについては次回。
オープンイノベーションの促進
オープンイノベーションと言う言葉が流行っています。簡単に言うと自社だけではなく他社、異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービスなどを組み合わせて進める手法です。企業の場合は他社との連携で新しいビジネスを創出すると考えるとわかりやすいと思います。
実際のコンサルティングでは、自社の強みを分析してから、社会潮流を加味して新たな研究テーマやビジネスを考えていきます。その際に足りない技術、異業種の知見が必ずと言っていいほど必要になり、他社/大学との連携を考える必要があります。
そして、大きな企業さんほど自社技術にこだわり、あまり他社と連携が取れていないと感じます。
そんなときに、私がコンサルティング先の企業さんと、他企業とつなぐことをやります。お互いに連携することでメリットの有りそうな企業を選んでコンタクトすることでWIn-Winの連携を考えます。
コンサルティング先の企業の研究者にとっては、対象企業の見つけ方や連絡の取り方など(営業部なら当たり前のようにやっていたようなこと)も、参考になるようです。
共同開発に進む案件もありますが、実際のところはすぐにはビジネスが生まれない場合が多いです。しかし、ゆるくでも連携があること、他社と連携することを研究者が体験することが次のビジネスにつながると思います。
自社の技術をさらに発展させて大きなビジネスを作るために、一緒に考えてみませんか。
新規事業は誰が進めるべきか?
先日、ある企業様にて「ボトムアップ研究の重要性」についてこれまでの経験を元にお話させていただきました。
新規事業を進めるにあたって、トップダウンのテーマというのもありますが、私はボトムアップを薦めています。トップダウンのテーマは多くの人(周りの役員など)が納得しているテーマとなるので、レッドオーシャン(すでに他社も参入して競争になりそうなテーマ)となりやすいです。一方でボトムアップは小粒な感じのテーマが多いとは思いますが、小さく産んで大きく育てるテーマになります。途中での路線変更、朝令暮改も認める必要があります。
さらに現場の研究者や技術者から新しいテーマの提案が出るような仕組みづくりを含めて新規事業の創出活動を行うことが良いと考えています。それにより継続的かつ多くのテーマが上がってきて、成功の確率が上がると思います。
注意することとして、新規事業は既存事業とマネジメントや考え方が異なるため、既存事業の考え方を当てはめると上手く行かないことが多いようです。
・新規事業はボトムアップが理想的
・小さく産んで大きく育てる(路線変更を認める)
・仕組みづくりをすることで、継続的に新しいテーマが生まれる
・既存事業の考え方を押し付けない
一緒に新しいテーマを考えましょう。そして研究者が楽しく、率先して新規事業を生み出せるような仕組みを作っていきませんか。
新規事業の営業は誰がやる?
新規事業のテーマの選定/立ち上げのコンサルティングをやっていて質問としてよく出るのは、誰がマーケティングをやるか? ということです。
既存の事業の範囲の中の新規であれば事業部のメンバーが担当してくれます。
しかし新規事業なので、その領域に対して土地勘のある営業の方や事業部の方はいない場合がほとんどです。
そのため新規事業は、開発者や提案者が技術の内容を理解した上で、顧客候補や市場と対話する必要があります。
一般的に技術者/研究者は市場に出て話をする経験が少ないく、マーケティングが苦手ですという方が多いです。
実際にコンサルティングをしていても、
誰がやるのですか?
どうやったら良いのですか?
そんな質問が出てきます。
コンサルティングでは、私が実際に想定顧客にヒアリングを行ってそのやり方をお教えしたり、一緒に顧客を回ったりしています。
OJT的な感じではありますが、慣れていない人にとってはかなり実例として役に立つようです。
また、想定顧客の調べ方やアプローチの方法などもWebや特許検索を使いながら一緒に考えながら進めています。
顧客からの直接的なコメントを受けることで開発の方向性に気づくことができたりします。
それは技術の理解ができていない営業にはできないことです。
開発者/研究者は自ら想定顧客にヒアリングしてみましょう!
新しい発見、開発のヒントがあるはずです。
新規事業創出のコンサルティングでは、テーマが見つかった後には仮説検証のため想定顧客へのヒアリングは必須です。お気軽にご相談ください。
技術士は厳しい秘密保持義務がございますので、安心してご連絡いただければと思います。
takamichi あっと fujii-tech.com (あっとを@にしてください)