日々の気づき/ブログ

2026-10-13 12:27:00

新規事業の提案書には「途中下車戦略」を入れよう

大企業で新規事業を提案すると、昔は偉い人から「100億円のビジネスになるのか?」と聞かれていました。
今はさすがに100億円のビジネスを一発で立ち上げるのは不可能だと認知されてきていますが、やっぱり数十億円のビジネスを描かなければ認めてもらいにくいと思います。

会社として大きな事業を期待する気持ちはわかります。でも、技術開発も顧客開拓もこれから手を付けるという段階で、いきなり100億円の事業をつくるのは不可能に近いと思います。とはいえ、「そんなの無理です」で終わらせてしまうと、話は先に進みません。
そこで提案書に入れたいのが、私が「途中下車戦略」と呼んでいる考え方です。

10年以上先の目標として、100億円を掲げるのはよいと思います。ただし、そこに必要な技術を最初からすべて開発しようとすると、投資が大きくなり、売上が立つまでの時間も長くなります。その手前に、今ある技術に少しの開発を加えれば参入できる市場はないでしょうか。要求性能を満たしやすい用途や、顧客への接点をつくりやすい市場から始めるのです。

例えば、最終目標に技術A・B・Cが必要なら、まずは技術Aで価値を提供できる用途を探す。そこで事業化し、顧客の反応を確かめ、技術を磨く。その実績を使って技術Bを追加し、さらに技術Cを加えて、大きな市場へ進みます。
途中の事業で得られるのは、売上だけではありません。実際に使われたデータ、品質や製造のノウハウ、顧客との信頼も残ります。収益が出れば、次の開発投資の一部を支えることもできます。ただし、小さな事業を始めれば何でもよいわけではありません。最終目標につながらない個別対応に追われて、次へ進めなくなる可能性もあります。

だから提案書には、「途中の事業で何を得て、次の市場でどう使うか」まで書くことが大切です。技術の達成度、顧客の反応、採算など、次の投資を判断する条件も示しておきたいところです。「将来は100億円を目指します。そのために、まずこの顧客に、この技術で価値を届けます。そこで得た技術・顧客・収益を、次の段階につなげます」こうした提案なら、大きな期待を、今日から動ける計画に変えられます。

新規事業の提案書には、遠い終点だけでなく、途中で事業が成立する駅も書く。途中下車しながら、最終目標を目指す道筋を示してみてはどうでしょうか。


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