日々の気づき/ブログ

2026-05-29 19:49:00

AI時代、扇風機がMEMSチップになった!

AIの進化で、CPUGPUSSDなどの発熱が大きな課題になっています。発熱が増えると、機器は自分を守るために性能を落とします。いわゆる熱による性能制限です。これまでは、ファン、ヒートシンク、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーなどで熱を外部に逃がしてきました。しかし、薄型PC、スマートフォン、XRグラス、エッジAI機器では、さらなる「薄い・静か・小さい」冷却が求められます。

そこで注目されているのが、MEMSを使って空気を動かす技術です。

たとえばFrore Systems社のAirJetは、ソリッドステートのアクティブ冷却チップとして展開されています。
AirJet Mini G2は、7.5Wの熱を除去し、21dBAの静音性をうたっています。添付資料でも、AirJetMEMS超音波アクチュエータを使った熱対策技術として説明されています。

AirJet Mini G2 Product Card

またxMEMS社も、µCoolingという「fan-on-a-chip」を発表しています。
1mm厚のソリッドステート冷却チップで、エッジAI機器や低消費電力のデータセンター部品向けと説明されています。

xMEMS |マイクロ冷却 |エッジAIデバイスおよびAIデータセンター

面白いのは、これらは単にモーターで羽根を回すのではなく、圧電MEMSの微細な振動で空気を動かし、熱源の近くに局所的な風を送ります。
イメージとしては扇風機というより団扇が近いと思います。MEMSの中の人が団扇でパタパタしている感じです。
MEMSはこれまで、加速度センサー、ジャイロ、マイク、インクジェットヘッドなとして広がってきました。今度は「熱を逃がすために動く部品」として、期待されています。

AIの性能競争は、半導体だけでなく、熱設計の競争でもあります。熱のマネジメントをどうするかというのは頭の痛い問題です。このデバイスはその解決の一つの方法だと思います。そしてMEMS、圧電薄膜、微細加工を持つ企業にとって、冷却は新しい出口になるかもしれません。

新しいデバイスが出てくる予感がします!

 mems 団扇.png