日々の気づき/ブログ

2023-06-07 21:17:00

新規事業の生み出し方

新規事業の生み出し方について

以前も書きましたが、自社の強みを徹底的に分析することから始まります。自社の強みとは、他社にはない独自の技術、専門知識、資源、ネットワーク、ブランド価値などの要素です。自社の強みを把握することで、他社が追随できない競争優位性を見出すことができます。

次に、時流に乗るテーマ(上りのエスカレーター)を見つける必要があります。時流とは、現代社会で注目されているトレンドや市場のニーズのことを指します。これには、環境問題、テクノロジーの進化、社会的な変化、ライフスタイルの変化などが含まれます。時流に乗ることで、需要の高い市場に参入し、競争力を持った事業を展開することができます。
時流に乗るテーマを見つけるには業界のロードマップや経済産業省の資料を見ると良いでしょう。

そして、自社の強みと時流のテーマを組み合わせることです。自社の強みを活かしながら、時流のテーマに関連する付加価値を提供する新しいビジネスモデルや製品、サービスを考案します。これにより、自社の競争力を高めながら、市場で需要のあるソリューションを提供することができます。

具体的な例を挙げると、
富士フイルムの場合ですと銀塩写真の技術(微粒子、分散、コラーゲン)などの強み技術を化粧品に適用させています。
これにより強い技術(他者に勝つ可能性がある)と時流に乗る(売れる可能性がある、市場が伸びる)の両方を兼ね備えた良いテーマになります。

以上のように、強みの分析、時流に乗るテーマの2つを徹底的に行うことで、新規事業の方向性が見えてきます。

セミナーや講演会ではより具体的に話をしておりますので、是非!

2023-06-04 21:04:00

シリコンバレー流で新規事業に勝つ

本屋さんに行くと、「スタンフォード流の***」や「シリコンバレー流**」といった書籍を見かけますよね。シリコンバレーって本当に凄いのかと思いますよね。

私は、以前MEMSデバイス/技術の移管のためにシリコンバレーの企業に勤めたことがあります。その経験から感じたのは、日本式の研究開発や技術開発が劣っているわけではないということです。むしろ、優れていると感じました。しかし、圧倒的に劣っていると感じたこともありました。それは、目的に向かって進む決断力や新しいことに挑戦する気持ちです。これは日本人のメンタリティの問題かもしれませんが、圧倒的に劣っていると感じました。

新規事業や研究開発の成果は以下のような関係があると考えています。

(技術力)×(挑戦する気持ち)×(早い判断)→(成果)

個人的な印象ですが、日本の企業は挑戦する気持ちが少なく、挑戦する前からリスクを評価してネガティブな要素を強調し(市場が小さい、他者が既にやっている、昔に失敗した経験など)、進めない傾向があります。また、その判断や決断も遅いように感じます。

新しいことにはもちろんリスクが伴いますが、悩んでいる間にできるだけ簡単に試してみるべきだと思います。これがシリコンバレーの優れている点だと感じました。

シリコンバレー流.png

講演会資料より

 

 

 

2023-05-25 20:59:00

新規事業のテーマは時流に乗る

「時流に乗ることの重要性」

新規事業のコンサルティングでは、よく「どのような市場に参入すべきか?」という質問を受けます。

正しい答えは存在しませんが、時流に乗ることが重要だと答えています。つまり、将来的に成長が見込まれる市場に参入することで、市場の成長に合わせて自社も成長することが期待できます。さらに努力を重ねることで、市場の成長を上回る成長も可能です(エレベーターを駆け上がる)。
また、成長している市場は競争がまだ激しくない場合が多く、参入後の市場獲得の可能性が高まります。新たな市場に参入することで、既存のプレーヤーよりも優位な位置を築き、顧客を獲得しやすくなります。競争が少ない段階で市場に参入することで、ブランドの確立や顧客ロイヤルティの構築にも有利です。

一方で、縮小している市場(下りのエスカレーター)に参入すると、努力しても利益を確保することが難しくなります。市場縮小の要因を逆転させることは困難であり、持続的な成長を見込むことも難しいです。

新規事業は、できる限り時流に乗り、将来的に成長が見込まれる市場を探すことが重要です。そのためには、常に市場の変化を見極める必要があります。市場調査やトレンド分析などの手法を活用し、成長が期待される市場を見つけ出すことが求められます。そして、自社の技術やリソースを活かし、その市場において独自性や付加価値を提供することが成功の鍵となります。

上りのエスカレータ.png

2023-05-23 10:35:00

なぜ既存事業は衰退するのか?

なぜ既存事業が衰退していくのか?

既存事業に力を入れて頑張っています。利益を上げるために、シェアを拡大するために日々努力している方がほとんどだと思います。しかし、気づいたら競争が激しくなり、シェアが減少しています。さらには全く新しいビジネスに取って代わられています。そんなことはないでしょうか?

私が体験した(横で見ていた)例を挙げます。それは2000年頃から始まったコンパクトデジカメの開発競争です。当時は数十万画素のカメラが一般的でした。研究者や開発者は、100万画素目標、200万画素目標と、年々画質を向上させながら、機能を改善し、コストを削減し続けていました。市場での競争は激化し、疲弊が始まった頃にスマートフォンが登場しました。スマートフォンの登場によって、コンパクトデジカメはほぼ売れなくなり、撤退する企業も増えました。また、銀塩写真からデジカメへの移行は大きなイノベーションでしたね。

ざっくりまとめると、次のような流れです。

  1. 真面目に開発する。
  2. 一時的には利益を上げる。
  3. 競争が激化する。
  4. より一層努力する。
  5. 別の技術が出現する。
  6. 衰退する。

「イノベーションのジレンマ」とも呼ばれるこの現象は、国内の多くの既存事業にも当てはまるのではないでしょうか? 自社が取り扱っている商品に対しても安心感を持っていても、予期せぬ方向から新しい商品が登場する可能性もあります。この傾向はデジタル化の影響で加速しているように感じます。

対策としては、常に新規事業を生み出す努力を続ける必要があると思います。一緒に新規事業を考えてみませんか。

 

 

既存事業衰退.jpg


2023-05-14 14:21:00

今後のMEMS市場は?

EETimesの記事によると今後とも伸びていきそうです。

https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2301/19/news052.html#l_tm_230119yanoken01_w590.jpg&_ga=2.144663733.184612357.1684040529-2087913497.1596946963

 

記事.jpg

記事内の図より


「MEMSデバイスは、高周波デバイスなどの他、プリンターのインクジェットノズルや自動車のエアバッグ、スマートフォンやゲーム機などに用いる加速度センサーなど、その用途は幅広い。このため、今後の市場予測においても、2020年から2025年までのCAGR(年平均成長率)は10.2%となり、2025年には2兆360億円の規模に拡大すると予測した。このうち、国内市場は2620億円と見ている。」

市場としては、自動車分野(自動運転、安全性、ドライバ支援、電気自動車関連)、医療分野(センシング、監視、みまもり、診断アシスト)など、電子製品(スマホへの新価値、ウエアラブル等)、製造業(センシング、制御、監視)、航空宇宙(センシング、高度な制御等)への需要が伸びていくと思われます。私の専門分野の圧電MEMSも用途はたくさんあるためまだまだ伸びると考えています。


ただし大手メーカーがかなりの部分を抑えていますから、これから参入しようとする企業さんは、用途へのカスタマイズと機能による差別化が必要になると思います。
汎用的なMEMS大手メーカーに任せて、これから参入する企業、中堅規模の企業はカスタマイズして性能を特化させることで、市場が開けると考えます。

市場調査とどこを目指すかというのは、新規事業の考え方そのものです。どう特化させて、どこの市場を狙うかはしっかり考える必要がありそうです。
伸びる市場に強みのあるデバイスを開発して市場投入して、さらに伸ばして行きたいですね。


個別のデバイスの設計、プロセスのアドバイス、試作のサポートもやっております。それぞれ失敗しないための勘所があります。気軽にご相談ください。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...